ファッション
連載 ファッション&ビューティパトロール 第126回

40代健康オタク・信近エリの”老化に抗う”修業の日々

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「今日も修業を積んでいきます」。ダミ声の男性のナレーションがクセになるこの動画には、一人の妙齢の女性が映っている。修業といっても、禅や武道の話ではない。抗うのはそう、「老化」だ。自称健康オタクの信近エリが始めたインスタグラムのアカウント(@nobuchikaeri)が、1投稿でフォロワー1万人、わずか3カ月で6.4万人のフォロワーを獲得し、ちょっと話題になっている。加工やAIでいくらでも綺麗になれる時代に、あえて「加工と“糸”なし」を宣言。ありのままの40代の姿が支持されている要因だ。40代にもなれば、肌荒れ、くすみ、疲れ、胃もたれ、集中力無し……と悩みが増える(by もうすぐ40歳筆者)。そんなあらゆる老化現象と日々戦う信近の姿を、“総合格闘家”にでも例えよう。30代、40代の君も一緒にどうだい?試合開始のゴングは鳴った!(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月27日&5月4日合併号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)

エイジングの
“アンチ”じゃない

──「アンチエイジング」ではなく「抗老化」という言葉を使っている理由は?

信近エリ(以下、信近):アンチエイジングの和訳なんですけど、私は“若作りしたい”わけではないんです。アンチエイジングって、年を重ねること自体に反対しているような印象があるじゃないですか。でも私は、年齢を重ねることは自然なことだと思っていて、その上で、自分が納得できる年の取り方をしたい。そういうテーマなんです。エイジングって、食品だとエイジングビーフみたいにポジティブな意味でも使われるし、服でも経年変化を楽しむような文脈がありますよね。でも“老化”って、あまりいい意味では使われない。だから、私が抗いたいのはその“老化”の方なんです。

──なるほど。抗老化という言葉の方が、考え方に近い。

信近:そうですね。あと、“アンチエイジング”だとどうしても美容の話に聞こえやすいんですけど、私が言っている抗老化は、見た目だけじゃなくて、老化にまつわる全般の話なんです。疲れやすくなったとか、イライラしやすくなったとか、お酒が残りやすいとか、膝が痛いとか、そういう身体や機能の衰えも含めて、できるだけ遅らせていく。自分のパフォーマンスを最大化するための考え方ですね。

──そもそも、なぜこのテーマで発信しようと思ったんですか?

信近:新規事業をいろいろ模索していた時に、今までやってきた事業が、少しずつ自分自身と乖離している感覚があったんです。マタニティ向けの下着ブランドや子育て系メディアもやってきたんですけど、私は結婚もしていないし子どももいない。当事者ではない領域が広がっていって、自分でコンテンツを作ったり、自分を前に出して発信したりすることが難しくなっていったんです。もちろん、経営者は必ずしも当事者じゃなくてもいいと思っています。でも、立ち上げ期や初動では、できるだけ大きな資金を投じずに、自分でも発信しながらブランドを育てていく必要がある。そう考えた時に、“自分が完全に当事者で、自分自身を使って発信できるテーマは何だろう”と思って。ちょうど40代に入ったし、もともと調べるのも実践するのも好きで、食事管理もずっとかなりやってきた。プライベートでも「どうやってるの?」と聞かれることが多かったので、これなら価値提供になるかもしれないと思ったんです。

“痩せればいい”は誤り

──エリさんにとって、抗老化の本質は何ですか?

信近:老化って、“炎症”の連続なんですよ。だから、いかに炎症を防いでいくかが大事。何かを“プラスする”というより、マイナスをどれだけ減らせるか。落ちていくものを、その都度ゼロに近いところへ戻していく感覚です。上に上がることを目指すというより、下がっていくスピードを抑える。キープし続ける。そこが抗老化の考え方ですね。だから、肌や骨や体に必要な栄養をちゃんと取らないといけないし、痩せることだけを優先して栄養が足りなくなって老け込むのは本末転倒なんです。

──痩せればいいわけではない、と。

信近:そうです。特に30代以降は、急激に痩せるのはあまりおすすめしないです。すごく老けて見えることがあるので。肌のハリが落ちたり、たるんだり、シワが増えたり。痩せればきれいになるわけじゃなくて、多少ふっくらしていても肌がきれいな方がずっと若々しく見える。20代はまだ回復力があるからいいんですけど、30代以降は“痩せ方”に知識が必要なんですよね。

抗老化は“総合格闘技”

──老化対策というと、具体的には何を指しますか?

信近:私は“抗老化は総合格闘技”って言ってるんですけど、本当に全部やらないと成り立たないんです。食事も大事だし、スキンケアみたいな外側のケアも大事だし、運動も必要だし、睡眠も大事。どれか一つだけでは成立しないんですよ。だからこそ、美容だけの話にはしたくなくて。全部を知識として持って、全方位でやっていくことを発信したいと思ったんです。

──普段の食事で意識していることは?

信近:私は、小麦、乳製品、加工肉、白砂糖をできるだけ控えるようにしています。でも、完全にゼロにしているわけではないです。友達とイタリアンに行った時に「私は食べません」とはしないし、食べる時は食べる。ただ、普段自分で食事を選べる時は避けるようにしている感じです。この4つを控えているのは、“腸内環境を良好に保つ”ためなんです。抗老化にも美容にも健康にも、腸内環境ってすごく大事なので。小麦のグルテン、乳製品のカゼインは腸への刺激が強めだし、加工肉は保存料や添加物の影響がある。全部の添加物を完全にカットするわけではないんですけど、その中でも刺激の強いものはなるべく避けたいという考えです。

──いわゆる“腸活”に近い?

信近:そうです。アレルギーで避けているというより、腸への刺激を連続して入れすぎないようにしているんです。アルコールも本当は刺激が強いんですけど、私はお酒が好きなので飲む(笑)。だから、その分ほかで調整する。全部を完璧にしようとするのではなくて、バランスですね。

──お酒はOK?制限そのものが目的ではないんですね。

信近:そうなんです。私は料理が好きなので、代替食材を使いながら、元のものと同じかそれ以上においしいものを作るのも楽しいんです。だから、我慢して苦しいという感覚ではなくて、工夫する楽しさもあります。

40代に入ってからの変化

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