ビューティ

健康・美容ニーズを捉えるプロテイン 6ブランドに聞く好調の理由

プロテインは健康や美容意識の高まりを背景に、アスリートやトレーニングをする人にとどまらず、日常的な栄養補給の選択肢として拡大している。1日に必要なタンパク質は、一般的に体重1キロあたり0.8〜1.2g程度が目安とされているが、これを食事だけで達成するのはなかなか難しく、手軽にタンパク質を補給できる選択肢として近年認知が広がっている。今回は、プロテインを展開する6ブランドに、好調の背景や主な顧客層を聞いた。

「エミ」

マッシュスタイルラボが展開する、デイリーウエアおよびウェルネス&トレーニングウエアブランド「エミ(EMMI)」は、ブランド初のプロテイン“ピープロテイン”(全2種、各20g、各459円/各200g、各3780円)を昨年11月に発売した。三宅あゆみ「エミ」チーフプレスは発売の背景について、「女性の美しさを外側だけでなく内側からも引き出したいという思いがあった」と語る。

“本当にいいものを届けたい”という考えから、主原料にはビーガンにも対応できる植物性で、腹持ちが良く低カロリーなえんどう豆由来のプロテインを採用。えんどう豆は、非遺伝子組み換え原料が広く流通している点も決め手となった。

現在は「コスメキッチン(COSME KITCHEN)」と「ビープル(BIOPLE)」で好調に推移しており、顧客層は美容目的で来店する人と、体にいいものを求める人が中心だ。「エミ」の店舗ではお試し用の20gサイズが特に支持を集めており、発売から約3週間で予測比12%増を達成。この反響を足がかりに、継続利用を見込んだ200gサイズの拡大に期待を寄せる。

「ノバ オーガニックス」

カナダ発のオーガニックサプリメントブランド「ノバ オーガニックス(NOVA ORGANICS)」の“オーガニックプロテイン”(全2種、各21g、各486円/各210g、各3888円)は、4つの有機認証を取得している。有機発芽玄米や有機えんどう豆、有機チアシードから植物性のプロテインを効率的に補給し、“自分らしく心地よく感じる体”をサポートする。

日本市場向けの製品開発は、15年ごろにスタートしたという。田端春奈ノバスコシアオーガニックスジャパン社長は、「植物性プロテインは、カナダでは健康意識が高い層を中心にすでに定着していた一方、日本では『筋トレをしている男性が飲むもの』というイメージが強く、化学的な風味の製品が主流だった」と振り返る。こうした市場環境を踏まえ、老若男女が摂取すべきタンパク質を“ナチュラルにおいしく摂取できる選択肢”として提案することを目指した。

主原料に発芽玄米プロテインを採用した理由については、「日本人の体になじみやすく、消化吸収に優れ、食物繊維を多く含む点に加え、乳製品・大豆・グルテン不使用でアレルギーリスクが低いことが決め手だった」と説明する。必須アミノ酸の不足を補うため、えんどう豆とチアシード由来のプロテインをブレンドし、1回あたりの必須アミノ酸量はカカオ味で3250mg、抹茶味で4290mg摂取できる設計とした。

主な顧客は20〜40代の女性で、美容目的や“初めてでも続けやすい味”を求める層から支持を得ている。有機素材を採用している点も、選ばれる理由の一つとなっている。売り上げは堅調で、年計画比40%増(25年1月1日〜11月30日時点)を達成。希少なオーガニック原料の確保という課題はあるものの、リピート購入が多いことから、計画的な供給体制の強化を進めている。

「ヘンプス」

麻(ヘンプ)の魅力を提案するライフスタイルブランド「ヘンプス(HEMPS)」は、“有機プレミアムヘンププロテイン”(140g、1588円)を販売する。原料は有機JAS認証を取得したオーガニック麻の実粉末のみで、ほんのり甘く、シルキーな口当たりが特徴だ。

那奈なつみヘンプフーズ ディレクターは、「ヘンプフーズジャパンは14年から、国内でのヘンププロテインの普及に取り組んできた。プロテインブーム以前から、麻の実が栄養価に優れた高タンパク食品であることを知ってほしいという思いで活動してきた」と語る。近年は製造技術の進化により、殻をむいたヘンプシードのみを微粉砕する製法が可能となり、青味が抑えられた飲みやすいプロテインが実現した。顧客からの「続けたいが、味にややクセを感じる」といった声を受け、10年以上にわたり蓄積してきた知見と新技術を融合させたアップデート版として、同製品を発売した。

「私たちは“どの原料でプロテインを作るか”という起点ではなく、ヘンプという植物そのものの可能性を長年伝えてきたブランドだ」と強調する。ヘンプは高タンパクで、必須アミノ酸やミネラル、オメガ脂肪酸を自然なバランスで含み、環境負荷も小さい。「ヘンプが本来持つ豊かな栄養価を、日々の生活に無理なく取り入れてもらいたい。その延長線上に、今回の製品がある」と説明する。顧客は、自然志向・ウェルネス志向の層に加え、美容目的の女性や、ヨガや運動を日常に取り入れる人が中心だ。植物性で軽く、胃もたれしにくく、継続しやすい点が評価されている。売り上げは堅調に伸びており、「毎日続けたいからこそ、味と飲み心地を重視したい」という層から支持を集めている。

「キンズ」

総合的な菌ケアを提唱する「キンズ(KINS)」は、“ビネガープロテイン”(全2種、各280g、各3980円)を販売する。“パイナップル風味”と“レモンライム風味”をそろえる。特徴は、ビネガードリンクのようなすっきりした飲み口で軽やかな味わい。

安田真由香キンズ事業部 PRは、「菌ケアという発想を軸に、インナーケアからスキンケア、ヘアケアまで多角的に取り組んできたが、菌を整えるためには体そのものが健やかであること、そして十分なタンパク質摂取が欠かせない」と語る。一方で、実際には多くの人が必要量のタンパク質を摂取できていない現状に着目し、同製品を開発した。プロテインには、低分子化することで吸収を高めたコラーゲンペプチドを採用。「タンパク質は高分子のままでは吸収されにくく、体内でペプチドやアミノ酸に分解されてから取り込まれるため、あらかじめ低分子化した原料を選んだ」と説明する。加齢とともに減少するコラーゲンを同時に補える点も特徴だ。

顧客層は、ダイエットや美容目的の人に加え、牛乳や大豆由来のプロテインでお腹が張りやすい人、甘さや重さが苦手な人が中心だ。特に人気の“レモンライム風味”は、甘さ控えめで水割りでもすっきりと飲め、薄めればスポーツドリンク感覚で摂取できる点が支持されている。

販売状況は堅調だ。支持される理由としては、「水で割ってもおいしい」「無理なく続けられる」といった声のほか、低分子化コラーゲンペプチドによる吸収性に加え、不足しがちなタンパク質と食物繊維を1杯で補える点、生きた菌とそのエサを同時に摂取できる点、11種のビタミンと7種のミネラルを配合している点など、機能面も評価されている。

「マリネス」

宅トレクリエイター竹脇まりなが監修する「マリネス(MARINESS)」の“マリネスプロテイン”(全6種、各345g、各3480円/各345g×2個、6960円)は、運動後のタンパク質の補給がスムーズにできるホエイプロテインと、消化吸収がゆっくりで満腹感を持続しやすいソイプロテインをダブルで配合。日常生活で不足しがちなビタミンやミネラルに加え、乳酸菌やリポソームビタミンCなどを配合し、健康と美容を多角的にサポートする

多賀紗衣里「マリネス」ブランドマネージャーは開発の経緯について、「忙しい日常の中でも自分を大切にする時間を持ってほしいという思いから生まれた。現代人、とりわけ女性はタンパク質を十分に摂取できていないという課題が出発点だった」と語る。「食事だけで必要なタンパク質量を達成するのは難しいからこそ、手軽に摂取でき、1日分のビタミンやミネラルまで補える“オールインワンサプリ発想”の設計にした」。

原料にはホエイとソイの2種類を採用。吸収の早いホエイと腹持ちの良いソイを組み合わせることで、朝食代わりから運動後まで、生活のさまざまなシーンに寄り添えると判断した。主な顧客層は30〜40代の女性で、家事や育児、仕事に追われる中でも、美容と健康の両立を意識する人が多い。「1杯で必要な栄養がしっかり摂取できる」「手軽で続けやすい」といった点が評価されている。フレーバーは、甘さを控えた“リッチチョコレート”が特に人気で、プロテインに苦手意識を持つ人でも飲みやすいと支持を獲得。溶けやすく、忙しい時にすぐ飲める点も好評だ。シリーズ累計販売数180万個を突破した(2025年10月時点)。

「イウミー」

セルフケアブランド「イウミー(EUME)」の“プロテイン”(全2種、各240g、各3580円)は“続けられるからこそ結果が出る”をコンセプトに、習慣化できるおいしさとバランスを追求したプロテイン。さっぱりとした甘さで、水割りでもラテのように飲める味わいに仕上げた。

本島彩帆里「イウミー」取締役は、「『イウミー』は、毎日の小さな『できた』の積み重ねが、心と体の自己効力感を育てるという考え方を大切にしてきた」と語る。その延長線上で、セルフケアには内側からのアプローチが欠かせないと考え、プロテインの開発に至った。「特に女性は、忙しさやライフステージの変化によってタンパク質が不足しやすい一方、味や飲みやすさ、人工甘味料への懸念などから、プロテインを継続して取り入れることが難しいという声が多かった。そこで、ラテのように毎日続けたくなるおいしさと、原材料へのこだわりを重視した」。

プロテインには、ホエイと低分子コラーゲンペプチドの2種類を採用。いずれも消化吸収が早く、胃への負担を抑えながら、植物性原料のみでは表現しにくい滑らかな口当たりを実現した。「女性が不足しやすい“代謝のたんぱく”と“美容のたんぱく”を同時に補える点もポイントだ」と説明する。吸収性や味の続けやすさ、年齢変化との相性を総合的に考えた結果、この組み合わせにたどり着いたという。

顧客の約99%が女性で、30〜50代を中心に幅広く支持されている。フレーバーは“マッチャイ”と“ホウジチャ”がほぼ拮抗しており、季節による変動はあるものの、いずれも継続率が高い。「おやつやカフェタイムの代わりになるおいしさ」「家族で安心して飲める原材料」といった声が多く寄せられている。定期便が好調で、11月の定期便契約人数は6月比143%増を記録した。

関連タグの最新記事

最新号紹介

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。