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圧倒的人気を誇る美容成分「ビタミンC」 あらゆる肌悩みにアプローチするアイテム9選

美白や毛穴、ニキビなどのあらゆる肌悩みにアプローチする美容成分「ビタミンC」。前回のコラムで紹介した「炭酸」アイテムとの相性が良いことでも知られる。あるブランドのPR担当者が「アメリカなどでは、紫外線や大気汚染物質などから肌を守る強力なスキンケアシールドとしてビタミンコスメの需要が急増している」と話すなど、世界的にビタミンC配合のアイテムが注目を集めている。今回は8つのブランドに、ビタミンC配合コスメが好調な理由や新製品投入の背景を聞いた。なお、ビタミンCは、ピュアビタミンC(アスコルビン酸)やビタミンC誘導体などの総称とする。(集計期間:2025年1月1日~6月30日)

「ドクターシーラボ」

「ドクターシーラボ(DR.CI:LABO)」は、2月にベストセラーアイテム“VC100エッセンスローションEX”(28mL、1089円/100mL、3905円/150mL、5390円/285mL、8965円/レフィル285mL、8415円)をリニューアル発売した。米増恭子「ドクターシーラボ」マーケティングディレクターは、「独自技術によりカプセル化した100兆個のマイクロ高浸透ビタミンC配合へパワーアップした。高浸透ビタミンCを安定したまま高濃度で肌に届けることで、より透明感をかなえられるようになった。顧客のニーズが高い『毛穴ケア』を訴求したプロモーションも大きく寄与した。テレビCMやデジタル広告など積極的な販促の効果もあり、6月には某ドラッグストアで化粧水部門1位を獲得するなど順調に売り上げを伸ばし続けている。特に夏場は毛穴悩みが増えるため、季節的にも顧客の世代的にも高いニーズにフォーカスできたことが大きな要因だと考えている」と話した。

「ファミュ」

ファミュ(FEMMUE)」の“ルミエール ヴァイタルC”(30mL、8800円/50mL、1万2430円)は、18年の日本でのデビュー当時から支持を得ているロングセラー美容液。山畑七海アリエルトレーディングPRは、「通常サイズの購入後に大容量サイズを選ぶリピーターが増えていることからも、効果実感と満足度の高さがうかがえる。肌刺激が少ないとされるビタミンC誘導体(アスコルビルグルコシド)を採用しており、刺激が苦手な人も使いやすく、透明感やキメが整い光り輝く肌へ導く点が支持されている。さらに、ナイアシンアミドや植物由来成分、独自成分による多角的なアプローチが肌をクリアな印象に。天然のローズとジャスミンの香りがスキンケア時間を心地よいものにすると好評だ。ビタミンCの人気が継続しているのは、美容医療が広がる中でも日常のくすみや毛穴悩みを化粧品でホームケアする人が多く、比較的手に取りやすい価格帯で高い効果実感を得られるからだと考えている」と話した。

「オバジ」

オバジ(OBAGI)」の“C25セラム ネオ”(12mL、1万1000円)は、ピュアビタミンC配合美容液として売り上げNo.1(インテージSRI調べ、美容液カテゴリーピュアビタミンC配合製品22年2月〜24年2月販売金額)を獲得しているアイテムだ。蓮池ちひろロート製薬広報・CSV推進部 PRグループは、「不安定で高濃度配合が難しいピュアビタミンCを独自技術で安定化させ、高濃度で配合できた点が最大の強みだ。シミや毛穴、ハリ、くすみといった多角的な肌悩みに即効でアプローチする。ビタミンCは高い抗酸化作用によりエイジングを防ぎ、シミを薄くし、コラーゲン合成を促すなど幅広い作用を持ちながら、肌への負担が少ない点で支持されている。ロート製薬は特に即効性と効果に優れるピュアビタミンCの研究開発に注力し、高濃度で安定配合する技術を確立。3月に発売した“クリアアドバンスドローション”(150mL、4950円)も、美容誌の上半期ベストコスメ化粧水部門で1位を獲得するなど好調に推移している」と話した。

「ダムダム」

ダムダム(DAMDAM)」の“シトラスグロウ ビタミンC+ヒアルロニックセラム”(8mL、1980円/30mL、7920円)は、25年上半期に売り上げ目標の約2倍を達成し、前年同期比138%増を記録した。小山薫「ダムダム」PRは、「毛穴や美白を意識したケアに加え、保湿もできる2in1のアプローチでコストパフォーマンスに優れている。界面活性剤を用いない日本生まれの三相乳化技術を取り入れることで、突っ張り感のない優しい処方を実現した。水溶性と油溶性の2種類のビタミンC誘導体を配合しており、継続して使うことで透明感のある明るい肌印象や、潤いによるハリ感を実感しやすい。ビタミンCはくすみや乾燥など複数の肌悩みに寄り添う成分として、20~50代まで幅広い層に支持されている。コロナ禍を経て自宅で『攻めのケア』を行う傾向が定着したことも追い風となっている」と話した。

「琉白」

「琉白(ルハク)」が7月に発売した“Vリッチアクアシートマスク”(1枚入り、990円/5枚入り、4620円)は、「20年11月に発売した乳液状のシートマスク“エンリッチクリーミーシートマスク”(1枚入り、990円/5枚入り、4620円)と比較して、初速の動きが5倍となっている」(今泉小百合「琉白」ブランドマネージャー)という。「“Vリッチアクアシートマスク”は沖縄のシークワーサーなど、ビタミンを豊富に含む植物の恵みを配合したアイテム。ビタミンCを強く訴求していないが、パッケージのカラーや内容物の色と香り、キー成分によって、特徴が直感的に伝わりやすいと好評だ。顧客の多くが敏感肌であることから、刺激感なくビタミンの魅力を実感できる処方設計にこだわった。『コスモスオーガニック認証』を取得している希少な国産シートマスクである点も、サステナブル志向の人に支持されている。多くの20〜40代が求める『毛穴ケア』や『ニキビ予防』ニーズに対して、ビタミンCの効果が世間的に認知されてきたことも追い風となり、好調に推移している」と話した。

「トーン」

トーン(TO/ONE)」で好調の“ブライトニング ブースター セラム”(55mL、4620円)は、ビタミンC誘導体やナイアシンアミドを配合した導入美容液。柴山思実「トーン」サブチーフプレスは、「『コスメキッチン(COSME KITCHEN)』で21年から5年連続売り上げNo.1を誇る導入美容液のブライトニングタイプで、継続的に売れている。洗顔後に使うことで、明るく透明感のある肌に導くアイテムだ。また、ブランド初のサプリメント“ドリーム フローラ VC ショット”(2g×7包、1296円/2g×30包、4968円)は、初月売り上げ目標に対して33%増を達成した。ビタミンC1000mgに加え、乳酸菌やセラミドを配合し、手に取りやすい価格とスキンケア発想の新規性が支持されている」と話した。

「チャントアチャーム」

チャントアチャーム(CHANT A CHARM)」が9月に発売した“薬用VC ブライトエッセンス”【医薬部外品】(18mL、3850円)は、肌への効果感と優しさを両立した薬用美白美容液。花沢恵奈ネイチャーズウェイPRは、「ビタミンCは世代を問わず人気の美容成分だが、刺激によるトラブルを懸念して美白ケアを諦める敏感肌の人も多く、誰もが安心して使い続けられる処方を目指した。キー成分には100%天然由来かつ医薬部外品の有効成分で、安全性と知見が豊富なL-アスコルビン酸2-グルコシドを採用したが、水溶性ゆえのきしみ感やペタつきが課題だった。保湿剤や増粘剤の配合バランスを何度も検討し、不快な糸ひき感を抑え、浸透感を高めることに成功。オールシーズン、朝晩問わず心地よく使えるみずみずしいテクスチャーを実現した。ビタミンCが長年にわたって圧倒的な人気を誇るのは、有効性が広く認知され研究が進んでいるため安定供給が可能であること、さらにシミやくすみといった全世代共通の肌悩みに応えられ、スキンケアからメイク、インナーケアまで多彩なカテゴリーで展開されている点にある」と話した。

「リポシー スキンビューティ」

15年の誕生以来、ビタミンCをいかに効率よく肌へ届けるかに向き合ってきた「リポシー(LYPO-C)」は10月6日、「リポシー スキンビューティ(LYPO-C SKINBEAUTY)」から“ファースト グロウエッセンス”(28包、1万2320円)を発売する。小林加奈「リポシー スキンビューティ」ブランドマネージャーは、「液状サプリメント“リポ・カプセル ビタミン C”(30包、7776円)を愛用する顧客の半数以上が美容目的で購入しており、中には肌に直接塗るというユニークな使い方をする人もいる。『内と外の両面からビタミンCを届けたい』と考え、スキンケアを開発した。キー成分にあえてピュアビタミンCを選び、酸化や刺激、浸透性といった課題を独自のリポソーム技術で克服。防腐剤フリーや低刺激、天然ダマスクローズの香りで心地よさにもこだわった。シンプルな処方ながら、毎日のケアに取り入れやすい安定性を追求し、飲む“リポ・カプセル ビタミン C”で得られた実感を肌でもかなえることを目指した。ビタミンCは毛穴や肌荒れ、シミ、くすみといった幅広い悩みに応える成分で、年代や肌状態を問わず継続的に使える頼もしさがある。家族やパートナーとのシェアコスメやプレゼントとしてなど、生活に寄り添える柔軟性も魅力。だからこそビタミンCは“どう届けるか”が重要だと考えている」と話した。

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