
汗ばむ季節に向けて関心が高まるスカルプケア。頭皮の不快な匂いやかゆみ、ベタつきを抑えるほか、頭皮の血行促進や毛穴詰まりの解消、マッサージや専用アイテムによるケアで、リラックス効果や疲労回復が期待できることなどから活況のカテゴリーだ。今回は、コンシューマーブランドやヘアサロン専売ブランド、ヘアサロンに、デイリーからスペシャルケアまで、スカルプケアの好調アイテムを聞いた。
――スカルプケアの人気製品は?
セラム、エッセンス
田中美代子「アヴェダ」PRマネージャー:アーユルヴェーダ由来の植物成分を配合した「アヴェダ(AVEDA)」の“インヴァティ ウルトラ アドバンス スカルプ セラム”(30mL、2200円/150mL、9680円)は、毎日の使用で髪の密度感やハリ・コシの変化を実感できるという声が多く集まり好調だ。薄毛に悩む30代から、エイジングによるボリューム悩みの50代まで幅広く支持されている。臨床データに基づいたフォーミュラで、抜け毛の予防に働きかけ、健康的な頭皮環境をサポートする。
笹川直子クィーン代表取締役:「ウルオッテ(URUOTTE)」の“ハーバルエッセンス 優薬用育毛料”【医薬部外品】(90mL、4400円)は、業界プロフェッショナルの紹介により人気に火がついた。育毛剤に見えないパッケージデザインと、ビューティサイエンティスト・岡部美代治氏による独自処方は「効果実感も得やすい」と好評だ。
新井賀子「ラ・カスタ」PR:「ラ・カスタ(LA CASTA)」の頭皮用ローション“アロマエステ スキャルプ リペア エッセンス”(120mL、4180円)は、頭皮ケアには興味があるが、何から始めたらいいか分からないという人にも手に取ってもらいやすいアイテムとして売れ行きが良い。ジェットスプレータイプで狙ったところにピンポイントで届くため、頭皮ケア初心者にも使いやすい。シトラスハーブの爽やかな香りと優しい清涼感により、心地良くケアできると支持が高い。
スクラブ
藤城いずみインナーセンスアジア商品部 部長:「インナーセンス(INNERSENSE)」の頭皮用スクラブ“トゥルーエンライトメントスカルプスクラブ”(190g、5500円)は、ペパーミントのスッキリとした香りにインパクトがあるため、週末のバスタイムに愛用する顧客が多い。レッドソルトとクレイが頭皮の古い角質や皮脂を取り除きながら、リンゴエキスやヒマワリオイルが頭皮にハリと潤いを与える。クレイベースの柔らかなテクスチャーが特徴で、頭皮をマッサージしやすい。「インナーセンス」はブランドとしても成長しており、25年5月の売り上げは、日本へ上陸した24年9月と比べて10倍以上増加した。
シャンプー、コンディショナー
津田真希アリミノ商品開発部係長:サロンメニュー用の業務品と店舗販売を合わせた「コアミー(COREME)」の4〜5月の売り上げは、前年同期比24%増と伸長した。年齢による髪と頭皮悩みにアプローチする“フィナジー”シリーズ(全36商品)が人けん引。髪と頭皮の抗糖化に良いとされる独自成分のルイボスエキスを配合し、「分け目が目立つ」「髪がパサつく」「抜け毛の増加」と複合化した大人の髪悩みに応えられている点などが高評価を得た。身近なルイボスティー由来成分で、安心感と驚きを両立できている。
梶山優子「イーラル」ブランドマネージャー:「イーラル(ERAL)」の“スキャルプシャンプー E4”【医薬部外品】(95mL、1540円/400mL、5280円)は、前年同月比1.5倍の増加がある月もあり、好評だ。エイジングが気になり始めた頭皮と髪のケアを目的とした処方設計で、頭皮をさっぱり軽やかに洗いあげ、ハリ・コシのある髪に仕上げる。有効成分のピロクトン オラミンや保湿成分、植物由来の活性剤を用いたこだわりの処方だ。
石川由紀子タカラベルモント広報:頭皮ケア意識の高まりやカラー後の頭皮の乾燥対策などの理由から、頭皮ケア商材は毎年売り上げがアップしている。特に「エステシモ(ESTESSIMO)」の“イッシュ シャンプー” (240mL、3300円※春夏限定)は、4〜5月が出荷ベースで前年同期比約2倍と好調。顧客に、「この季節になったら“イッシュ シャンプー”」と定着してきている印象だ。
ブラシ
小林麻衣「ウカ」広報マネージャー:「ウカ(UKA)」の“スカルプブラシ ケンザン”(全5種、2420~2750円)は、月平均で約3万個を販売しているロングセラーアイテムだ。インバスのシャンプー時やアウトバスのツボ押しに使えるスカルプブラシで、近年は両手で使えるよう“2個持ち”する顧客が増えている。
持丸彩夏「ジョンマスターオーガニック」PR:「ジョンマスターオーガニック(JOHN MASTERS ORGANICS)」の頭皮クレンジングとマッサージをかなえる2wayのスカルプブラシ“スキャルプシェイクブラシ”(2640円)は、シンプルでスタイリッシュなデザインから、ギフトに最適といった声も多い。風呂の中でも滑りにくいシリコン素材を採用し、グリップが握りやすい形状にもこだわった。程よい重さと硬さが好評だ。
三ツ井綾子「エトヴォス」PR:「エトヴォス(ETVOS)」の“リラクシングマッサージブラシ”(全6色、各1925円)は持ちやすいしずく型の形状や、突起の硬さが選べる点、ギフトにも向いている点が好評。コロナ禍を経てホームケアに注目が集まり、マッサージ需要が高まった結果、同製品の購入が増加した。現在では毎年季節に合わせた新色を発売し、ECモールの売り上げランキングでも常に上位にランクインしている。
――サロンで人気のメニューは?
村上智美「カキモトアームズ」麻布台ヒルズ店チーフセラピスト:「カキモトアームズ(KAKIMOTO ARMS)」の“頭浸浴メディテーションスパコース”(約75分、2万8200円/100分、3万6200円※麻布台ヒルズ、銀座店限定)は心身のウェルネスを大切にする顧客から好評で、4〜5月の売上高が前年同期比20%増と伸長した。夏は、強い紫外線や汗の影響で皮脂の酸化が進みやすい。寝不足や疲れなどによる自律神経の乱れでも、頭皮の炎症は出やすくなる。頭浸浴は「頭の温泉」ともいわれ、筋肉や神経の緊張を緩めリラクゼーション効果が高い。水の音や水圧、じんわり温まる感覚は五感を癒やし、自律神経を整え、脳の疲労緩和にもアプローチ。表面的なケアにとどまらず、内側から安らぎ、頭皮も髪もリセットしてくれる。麻布台ヒルズ店では約2カ月先まで予約が埋まるほど人気だ。