ヘアケアブランド「ラブクロム(LOVECHROME)」のコームが爆発的な人気を集めている。タレントの田中みな実や指原莉乃、モデルの“めるる”こと生見愛瑠、Kis-My-Ft2の千賀健永、美容家の石井美保ら芸能人の愛用者も多い。「ラブクロム」のコームをポーチから取り出し髪を整える光景を見ることも増えてきた。「ラブクロム」のコームは、何が違うのか?その特徴をひもとくほか、ブランド設立の経緯から海外進出の展望まで、下島千穂ワイシー・プライマリー(YC・PRIMARILY)会長に聞いた。
PROFILE: 下島千穂/ワイシー・プライマリー会長

東日本大震災がブランド設立のきっかけ
WWD:「ラブクロム」を立ち上げたきっかけは?
下島千穂ワイシー・プライマリー会長(以下、下島):ブランドの構想を始めたのは、子どもの出産が発端だった。4人の子どもを産んだが、産後は髪質の変化に悩まされた。傷む、抜ける、パサつく......。髪の毛がきれいじゃないと気分も上がらない。当時は銀座と世田谷にヘアサロンをオープンしたばかりだったため、この構想は少し保留していたが、東日本大震災がきっかけで開発に着手した。自分もそうだったように、髪の毛がきれいになることで、少しでも笑顔が溢れる日常を届けられたらと思った。くしは電気や電池もいらず、簡単に髪の毛を整えられる。「とくことで美髪へ促す」がコンセプトだ。
ブラシを使う人が多いが、アジア人の髪は硬くてしっかりとした質感なので、実際にはくしの方が適している。また、江戸時代に封建制度下で豪華な服装やぜいたく品が禁止されていたころには、髪が美しさを象徴していた。日本人として、原点に戻ろうという考えもブランドの構想に影響した。
WWD:ブランド名の由来は?
下島:手にするだけでうれしい、笑顔が溢れる、愛を感じる体験を届けたいと思い、「ラブ」とつけた。「クロム」は、コームに施している特殊加工技術を指す。ギフト需要はコロナ禍明けに急増し、ブランド名の通り愛が広がっている。設立当時に思い描いていた理想通りに成長してきたと感じる。
摩擦や静電気を抑える技術・設計は
スポーツカーから着想
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