「WWDJAPAN」には美容ジャーナリストの齋藤薫さんによる連載「ビューティ業界へのオピニオン」がある。長年ビューティ業界に携わり化粧品メーカーからも絶大な信頼を得る美容ジャーナリストの齋藤さんがビューティ業界をさらに盛り立てるべく、さまざまな視点からの思いや提案が込められた内容は必見だ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年9月22日号からの抜粋です)
今さらだけれど、雑誌の衰退が続いている。すでに10年前、20年前に十分に予想できたことだけれども、本当にそういう時代が来てしまった。もちろん、紙が好き、文字が好き、ページをめくるのが好き……そういう嗜好を持つ人自体は絶対にいなくならない。だから雑誌もなくならないし、むしろ今、雑誌界の主役は女性誌でも男性誌でも中高年。「ハルメク」と「LEON」がブランド力という雑誌ならではの強みを生かしていよいよ好調なのも、日本の雑誌の在り方を象徴しており、この傾向は今後も続いていくのだろう。
でも将来性という意味で、雑誌にはもう起死回生の道は無いのだろうか?言うまでもなく、雑誌の中でもいわゆる美容系は盤石。そのコンテンツの主軸となっているのは、何といってもベスコスであり、売り上げを左右するのはやはり年々豪華さを増す「付録」である。一方に、付録がないと雑誌が売れないという現実は以前からあって、本来は子ども向け雑誌の売りである付録に頼らざる得ないのは由々しき問題という言い方もされてきたわけだが、果たして本当にそうなのだろうか?
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