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「パタゴニア」が江戸の職人街、東京・京橋に出店 ブランドの原点や環境アクティビズムを発信

アウトドアブランドの米「パタゴニア(PATAGONIA)」は、9月11日に開業する新店「パタゴニア 東京・京橋」を公開した。東京駅からも徒歩圏内である京橋交差点に面した複合施設、京橋キノテラスの1、2階に総面積約330平方メートルで出店。古くは鍛冶屋が集まった江戸の職人街であり、現在は多数の企業がオフィスを構える京橋で、「パタゴニア」のモノ作りの姿勢や環境アクティビズムを伝える。

店作りのコンセプトは、オーセンティシティー(本物であること)とレスポンシビリティー(責任ある姿勢)。「近隣にあるさまざまな業種の老舗と比べれば歴史は浅いが、『パタゴニア』にも50年のモノ作りの歴史がある。京橋は江戸時代は鍛冶屋の街であり、われわれのブランドも、創業者イヴォン・シュイナードがクライミングギアのピトンを自身で鍛造したことが原点」と広報担当者。ブランドを知っていても、サーキュラリティー(循環型経済)や責任ある消費、環境再生型農業などを追求していることは知らない人も多いとして、店内の各所に取り組みや考え方を紹介するボードも設けた。

1階はあえてウィメンズに

1階はウィメンズフロアで、入り口すぐはオリジンであるアルパインクライミングや、トレイルランニングのコーナー。ブランドとしてはメンズが強いが、4〜8月に京橋エリアで行っていたポップアップストアや、3月まで出店していた近隣の丸の内の店舗で比較的女性客が多かったことから、1階をウィメンズにすることで女性客のさらなる取り込みを目指す。

1階には、自社製品の中古アイテム“ウォーン ウエア(Worn Wear)”の常設売り場も導入した。大阪・梅田の店舗に続き国内2店舗目となる。自社書籍レーベル「パタゴニア・ブックス」のコーナーも充実しており、写真集や絵本、企業姿勢についてなどさまざまな本がそろう。

2階はメンズ売り場で、さまざまなアウトドアアクティビティーに対応したウエアや、街着にも適したアイテムがそろう。1、2階共に什器は可動式を中心にし、店頭でのイベントも行いやすくしている。

アートや写真作品も豊富

店内に飾ってある写真やアートも見所の1つだ。ブランドロゴにもなっているダイナミックなフィッツ・ロイの稜線の写真や、クライミングの聖地であるヨセミテのエル・キャピタンを描いた浮世絵調の木版画などを展示している。京橋エリアを紹介するコーナーには、古い刀鍛冶職人の絵なども配した。階段横の壁には、創業間もないころにシュイナードが金属をハンマーで叩いてギアを製作していた写真なども展示した。

3月まで12年間にわたって出店していた丸の内の店舗で好評だったのが、グループランイベントだ。京橋では丸の内で育てたコミュニティーを引き継ぎ、月に1回ほどグループランを実施。山に出かけてのトレイルランニングイベントも行っていく。「丸の内時代のグループランには、小学生から70代まで幅広いお客さまに参加いただいてきた。京橋エリアを楽しむランニングコースを作り、地域に愛着を持ってもらえるようにしたい。グループランを行う際は、引き続き山の状況や環境問題などを伝える時間も設ける」と担当者。

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