PROFILE: 玉利亜紀子

ファッション誌はこれまで、最新のコレクション動向や流行のスタイリング、今季の注目アイテムを取り上げてきたが、意外に見当たらない切り口がある。
さまざまなカルチャーにおけるステージやイベントで着用する、特注の衣装だ。「装苑」(文化出版局)は、約20年前から衣装に焦点を当て、今では「衣装特集」を定番企画にまで育て上げた稀有な媒体だ。同企画の誕生から現在までを共に歩んできた玉利亜紀子編集長に、企画誕生の背景や衣装業界の仕組み、昨今のアーティスト衣装の人気の高まりなどを聞いた。(この記事は「WWDJAPAN」2025年8月4日号からの抜粋です)
装苑」が初めて衣装について言及したのは2002年5月号のことだった。「スポーツとモード」という特集の一企画として、アートディレクター兼衣装デザイナーの石岡瑛子さんの仕事を紹介したのが始まりだという。同年開催のソルトレークシティーオリンピックで、アスリートウエアのデザインを手掛けていた彼女。その仕事に焦点を当てたことを契機に、同誌は少しずつ衣装を取り上げるようになっていく。劇団の衣装から、映画の登場人物がまとう衣装、アーティストの着用するステージ衣装というように、取り上げる衣装ジャンルや切り口を多様化。今や、年1の頻度で「衣装特集」と題した号を発売するのが恒例になっている。
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