ファッション

「ルイ・ヴィトン」が大阪で大規模展覧会 130年前の“モノグラム”のサンプルや150年前の日本初の顧客の姿までを展示

ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」は7月15日、大阪の中之島美術館で没入型のエキシビション「ビジョナリー・ジャーニー」展を開幕した。9月17日まで。大阪・関西万博の開催と創業170 周年を記念して、ブランドの歴史と、日本との長きにわたる対話を綴る。展覧会は、ファッション史家のフロランス・ミュラー(Florence Muller)がキュレーションを、重松象平率いるOMAがデザインを担当。1000点以上ものアーカイブと200点を超える日本の伝統工芸品を見せる展覧会は、イノベーションやサヴォアフェール(匠の技)など、12 のテーマにわたってブランドの発展を紐解く。

フロランス・ミュラーは、「初公開のアーカイブも数多い。中でも注目すべきは、パリ市立公文書館に眠っていた最初の“モノグラム”のサンプル。商標登録のために制作し、長年箱の中で保管していた貴重な品を箱の外に出して展示している。日本で最初の『ルイ・ヴィトン』のクライアントとして知られる外交官の鮫島尚信については、駒場美術館からポートレートを拝借した。それから170年を経たファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)とNIGOによる2025-26年秋冬コレクションのティー・セレモニー・トランクに至るまで、ブランドの歴史と日本との繋がりを楽しんでほしい」と話した。1896年に作られた“モノグラム”のサンプルについては、「小さなキャンバス片でありながら、大きな何かの始まりとなったという意味において感動的だった」という。メゾンは1880年代後半、ルイ・ヴィトン創業者の息子ジョルジュ(Georges)が“ダミエ”やストライプ柄などを次々と商標登録。しかし何度も広く模倣されたたため、ジョルジュは1896年、LVのイニシャルと幾何学模様を組み合わせたモノグラムを創作したという。

一方の重松は、ある部屋は熱気球の内部のように、別の部屋は輝く金属片で覆われたドーム型などさまざまな空間を用意。「それぞれの部屋は、連続した物語の中の独立したセットで、メゾンの創造性の幅広さを反映しつつ、空間としての多様性を提供している。実験的なブランドなので竹やバルーン、アクリル、畳など、さまざまな素材を用いた」と話した。

「ルイ・ヴィトン」の会長兼最高経営責任者を務めるピエトロ・ベッカーリ(Pietro Beccari)は米「WWD」の取材に対し、「今は、人々が意味を求めている時代。『ルイ・ヴィトン』には多くの意味、本物らしさ、そして歴史がある。私たちは、私たちの起源、歴史、そして私たちが何者であるかを改めて明確にする必要がある」と話し、中之島美術館には一昨年前から予約を入れていたという。「この展覧会は、大阪、この素晴らしい美術館、そしてこの時期に大阪を訪れる何百万人もの観光客の存在により、重要なものになるだろう。歴史をより多くの人々に知ってもらえば、彼らが忠実な顧客になる可能性は高まると確信している」との期待を示した。

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