
フレグランス大手コティ(COTY)はコロナ禍に打ち出した「オールイン トゥー ウィン(勝つために全力を尽くす、の意)」戦略を見直し、最大700人のリストラを発表した。
スー・ナビ(Sue Nabi)最高経営責任者(CEO)は、「持続可能な成長に向けて、より強く、より回復力のあるコティを構築する。コロナの混乱がピークだった2020年度に発表した『オールイン トゥー ウィン』戦略の目標は、大幅な固定費削減やサプライチェーンの簡素化、調達コストの削減、収益管理の徹底で利益率とブランド再投資力を高めることだった。一方これからは、ECの急速な発展により、小売チャネルとECの顧客情報の統合や新たなタッチポイントの開発が必要。絶えずビューティ業界と世界経済の変化に対応し続けなければならない」と述べる。
新戦略の概要
戦略を見直したプログラムは、主要市場全体の組織構造をスリム化して業務効率を高めること、サポート機能をより効率化すること、イノベーションの促進、人件費以外の固定費を削減することなど。改革は、最大700人の仕事に影響を与えるという。一連の改革には約8000万ドル(約113億円)が必要と試算するが、これにより年間約1億3000万ドル(約184億円)の固定費が削減できる見込みだ。
25年度第2四半期売上高は3%減
2024年12月31日に終了した、同社の25年度第2四半期売上高は、前年同期比3%減の16億6900万ドル(約2369億円)で人気フレグランスは引き続き好調だったものの、アジアでの需要の低迷、為替の逆風、マス市場の減速という3つの要因による売り上げの落ち込みを打ち消すのには不十分だった。
「スキン バイ キム」の20%の少数株式を譲渡
キム・カーダシアン(Kim Kardashian)の補正下着とアパレルの会社であるスキムス(SKIMS)は3月、カーダシアン本人とコティからビューティブランド「スキン バイ キム(SKKN BY KIM)」に関する株式を取得した。コティは21年に、「スキン バイ キム」の前身となる「KKWビューティ(KKW BEAUTY)」の株式20%を2億ドル(約284億円)で取得。コティの譲渡に伴い、カーダシアン本人が保有していた80%の株式もスキムスが取得した。
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