「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」は4月15日、新たなクリエイティブ・ディレクターとして、新進デザイナーのデュラン・ランティンク(Duran Lantink)を任命した。パリ・ファッション・ウイーク中の9月25日にプレタポルテのデビューコレクションを、2026年1月にオートクチュール・コレクションを披露する。なお、2月には、同ブランドがランティンクとの話し合いを行ったのではないかという情報筋の話が報じられていた。
ブランドの創業デザイナーであるジャンポール・ゴルチエは、「彼のファッションを通じて感じるエネルギー、大胆さ、そして遊び心は、私自身が旅路の最初に持っていたものと同じだ。新たなファッションの“アンファン・テリブル(恐るべき子ども)”へ。ようこそ、デュラン」と語った。
ランティンク新クリエイティブ・ディレクターは、「ジャンポール・ゴルチエは天才であり、私のような人々が堂々と歩めるよう扉を蹴り開けてくれた世代の一人。彼のブランドのクリエイティブ・ディレクターに任命されたことを、心から光栄に思っている。私にとって『ジャンポール・ゴルチエ』は、クリエイティブなスピリットとサヴォアフェール(職人技術)を持つ究極のブランド。挑発的で常に境界線を押し広げ、ファッションのさまざまな規律を統合して新たなムーブメントを作り出し、衣服の言語やストリートのスタイルを変えてきたブランドだ」とコメントした。
ランティンク新クリエイティブ・ディレクターについて
ランティンク新クリエイティブ・ディレクターは、は、1987年オランダ生まれ。2016年に自身のブランド「デュラン ランティンク(DURAN LANTINK)」を立ち上げた。19年には、若手デザイナーの登竜門、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)による「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(LVMH YOUNG FASHION DESIGNER PRIZE)」のセミファイナリストとなり、24年には同賞の準グランプリにあたるカール・ラガーフェルド審査員特別賞を受賞。また、23年にはフランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード(ANDAM Fashion Award、ANDAM賞)」で特別賞を受賞した。同ブランドはアップサイクルをコンセプトにしており、風船のようにボリューム感のあるシェイプが特徴的だ。
「ジャンポール・ゴルチエ」について
「ジャンポール・ゴルチエ」は、1976年の創業。アンドロジナスでアバンギャルドなクリエイションで知られたが、2014年にプレタポルテの発表を休止した。20年1月、ゴルチエ創業デザイナーは20年春夏オートクチュール・コレクションのショーが「私の最後のものとなる」と発表。同年3月、今後はゲストデザイナーを招いてオートクチュールを披露することを明らかにし、その第1弾として「サカイ(SACAI)」の阿部千登勢デザイナーを抜擢した。以降、さまざまなデザイナーをゲストとして迎え、直近ではルドヴィック・デ・サン・サーナン(Ludovic de Saint Sernin)を招へいし、25年春夏オートクチュール・コレクションを発表した。なお、「ジャンポール・ゴルチエ」は、20年9月にグラフィック・デザイナーのフローレンス・テティエ(Florence Tetier)をクリエイティブ・ディレクターに起用しているが、同氏は24年9月に退任している。