ニューバランス(NEW BALANCE)の社長兼CEOであるジョー・プレストン(Joe Preston)は先日、アメリカ・ニューヨークで開催された全米小売業協会(National Retail Federation)の年次総会で、同社が2024年を好調な形で締めくくったことを明らかにした。
プレストン社長によると、24年12月期の売上高は前期比20%増の78億ドル(約1兆2246億円)に達し、4年連続で成長率20%以上を記録。同社は、今後数年以内に“100億ドル(約1兆5700億円)ブランド”に成長することを目標に掲げている。「率直に言って、私たちは望めばさらに大きくなることも可能だが、過剰供給を避けるため、卸先を選択し管理している」とプレストン社長。なお、同社は上場しておらず、利益などは非公開。
24年の成功の背景には、人気商品の展開や大谷翔平をはじめとしたアスリートとの強力なパートナーシップだけでなく、卸先とのパートナーシップへの戦略的投資がある。米国の人気スニーカー・スポーツウエア専門店であるフットロッカー(FOOT LOCKER)のメアリー・ディロン(Mary Dillon)CEOも全米小売業協会の総会で別のセミナーに登壇したが、そこで「ニューバランスはフットロッカーの収益に多大なる貢献を果たしている」とコメント。
これを受けてプレストン社長は、「フットロッカーとディロンCEOは、長年にわたるニューバランスの素晴らしいパートナーであり、今日でも私たちの最良の顧客のひとつだ」と語り、続けて「私たちがアメリカや世界中の市場を管理する方法は、私たちが望む形でブランドを確実に展開すること。例えば、店舗の隅で取り扱われているようでれば、ニューバランスの接点が無くなる。だからこそ小売業者と連携し、店頭でもオンラインでもブランドが輝けるようにしている」と説明した。
さらに、異なる地域でビジネスを成長させるためには、「グローバルに考え、ローカルに行動する」というアプローチが重要だと強調。ニューバランスは現在、事業の35%を北米で、残りの65%を世界中の国々で展開しているが、今後ブランドのメッセージや販売体験の80%を全ての地域で共通化し、約20%は地域別の専門性を持たせるそうだ。
ニューバランスは、「フットウエア・ニュース(Footwear News)」が12月に開催したアワード「FNAAs」で、24年の年間最優秀企業賞も受賞している。