ファッション

「マーク ジェイコブス」は40周年の節目のショー デフォルメしたデザインとファンタジーの絶妙なバランス

マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」がニューヨーク・ファッション・ウィーク公式スケジュールに先駆け、現地時間の2月2日に2024年春夏コレクションを発表した。ブランド40周年の節目のショーとなった。同コレクションは6月にバーグドルフ グッドマン(BERGDORF GOODMAN)限定で販売予定。会場は最近マーク・ジェイコブスが好んでショー会場に選んでいるパーク・アベニュー・アーモリー。会場にはソフィア・コッポラ(Sofia Coppola)やクロエ・セヴィニー(Chloe Sevigny)、ダコタ・ファニング(Dakota Fanning)、アナ・スイ(Anna Sui)といったお馴染みの顔ぶれも駆けつけた。

真っ暗だった会場はショーのスタートとともに明転し、アメリカ人アーティスト、故ロバート・テリアン(Robert Therrien)による巨大なベージュの机と折りたたみ椅子が出現した。マチュー・シュライヤー(Mathieu Schreyer)による生演奏に合わせてペーパードールのようなモデルたちが巨大な机と椅子をすり抜けてゆっくりとランウエイを歩いてくる。ショーのテーマは「WONDER」。マークが感じる、ありふれたものに対する絶え間なく生涯続く愛を表現したという。時間というレンズを通したり、ありふれたものを吟味したりすることで素朴でエレガントなものを表現したかったそうだ。

マークのワンダーランドに包まれた会場

ボリューム感のあるヘアに人形のようなメイクを施した60年代を彷彿とさせるモデルたちがまとうのは、ボリューム感のあるショルダーラインのコートや人形のように腕のラインがカーブしたジャケット、オーバーサイズのスカートやキュロットなど。ほとんどのルックをハリ感のある素材で仕立てた。カラフルなチャンキーニットやスエットで登場したモデルたちは、キャットウォーク中も手は前に垂らしたまま微動だにせず、まるでペーパードールのよう。ランジェリーを騙し絵のように刺繍したニットや大きめのビスチェドレスなども、モデルたちのペーパードール感を助長する。

オーバーサイズのボトムスはウエスト部分のつまみを外に出し、ドレスは型紙をハサミで切ってそのままモデルに着せたよう。ペンシルスカートのウエスト部分は体から離れて完全に浮いている。大きなバッグやフラットシューズ、おもちゃのようなメリージェーンのハイヒールも、このスタイリング、ヘアメイクだからこそマッチしている。後半はビジューを散りばめたシアーなドレスや、歩くたびにミラーのような装飾がキラキラと反射するロングドレスが登場し、全47体の中にマークらしい、エレガントなスタイルを詰め込んだ。40年という長い間、ニューヨークのファッションシーンをけん引してきたデザイナーは数えるほど。フィナーレを迎えた会場は、マークのワンダーランドに包まれた。

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