ファッション

「ジミー チュウ」デザイナーのサンドラ・チョイが銀座の新店で語る「輝きこそがブランドらしさ」

ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」は12月9日、東京・銀座に日本最大級のコンセプトストアをオープンした。建築・デザイン事務所のクロスビー スタジオ(Crosby Studios)が手掛けた。2フロアで構成する店内は、壁一面にシューズボックスが積まれたストックルームのような空間だ。エントランスでは巨大な蘭のオブジェが出迎える。オープンを機に7年ぶりに来日したサンドラ・チョイ(Sandra Choi)=クリエティブ・ディレクターに、ブランドの強みや変化を聞いた。

WWD:同店を訪れた感想は?

サンドラ・チョイ(Sandra Choi)クリエティブ・ディレクター(以下、チョイ):クロスビー スタジオのハリー・ヌリエフ(Harry Nuriev)クリエイティブ・ディレクターに初めて会ったのは1年程前。友人からすごく新しいアイデアを持っているアーティストがいると紹介されたの。彼のアプローチで面白いのは、何か1つシンプルなものに焦点を当てて拡張していくところ。今回彼はストックルームに着目した。私が工房を訪れて一番気分が高揚するのは、まさに出荷直前のバッグやシューズがボックスに入って積み上がっているのを見た時。私の頭の中にあったアイデアが形になったと実感する瞬間ね。だから彼の提案を聞いた時、すぐに気に入ったわ。

WWD:コロナが明けたいま、「ジミー チュウ」の売れ筋は?

チョイ:実はスニーカーなの。ハイファッションのシューズデザイナーとして経験を積んできて、まさかスニーカーが1番売れているなんていう日が来るとは思ってもみなかったわ。

WWD:その変化はポジティブに捉えている?

チョイ:もちろん。ブランドに多様性をもたらしたと思う。「ジミー チュウ」はもはやグラマラスなシューズだけのブランドではないの。レザーグッズやアクセサリー、香水、アイウエア、ジュエリーもある。大事なことは、きちんと人々に消費されること。人々が何を求めているのか、どんなムードなのかに耳を傾けて柔軟に反応した結果で、驚きはないわ。

「ジミー チュウ」らしさとは、「輝く宝石」

WWD:さまざまな商品カテゴリーに共通するブランドアイデンティティーとは?

チョイ:私が「ジミー チュウ」を説明する時に、いつも思い浮かべるのは宝石。多面体の構造が光を反射し、どれも輝いていて、特別な気分にさせてくれるもの。みんな輝くものを身に付けると気分が上がるでしょ。スニーカーやバッグなどの“ダイヤモンド”シリーズは、多面的な輝きをさまざまな商品で表現していて、ブランドの大事にしているものがよくわかると思う。

WWD:「ディオール(DIOR)」や「ロエベ(LOEWE)」など、ラグジュアリーブランドのバッグ&シューズが勢いを増すなかで、「ジミー チュウ」の強みは?

チョイ:私たちがシューズやハンドバッグのスペシャリストであるのに対し、彼らはブランドとしての信頼感のなかでクリエイティビティーを発揮しているのだと思う。私たちの根底にあるグラマラスな輝きは、大きな差別化のポイントになっている。私たちの商品は、たとえブランドロゴを取っても「ジミー チュウ」とわかるはずよ。

WWD:「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」からセーラームーンまで、さまざまなコラボ施策を手掛けているが、大事にしていることは?

チョイ:最も大事なのはシナジーね。共通のマインドセットを持っている相手でなければ、プロジェクトを成功することはとっても難しい。まずそのクリエイターやチームに直接会って、「ジミー チュウ」と交わる何かがあるかを見極める。最初は上手くいく保証はもちろんないけれど、必ず何か新しいことを発見できる。このチャレンジ精神はこの先もずっと持ち続けていたいと思う。アイデアはたくさんあるの。

WWD:アクセサリーブランドとして、今後オケージョンそのものをプロデュースしていく意向はある?

チョイ:もうすでにいろいろ挑戦してきたと思う。「ジミー チュウ」はパーティが大好きだから。加えて、ブライダルコレクションや新年を祝うカプセルコレクションといった、特定のイベントに向けた商品も出している。日本の七五三コレクションなんかがあっても面白いかもしれないね(笑)。

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