ファッション
連載 本明秀文のノットスニーカーライフ

アトモス創業者・本明秀文のノット スニーカーライフ「トレカブームが止まらない」

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本明秀文/アトモス創業者:(ほんみょう・ひでふみ)プロフィール

1968年生まれ。米フィラデルフィアの大学を卒業後、商社に2年間勤務。96年に脱サラし、裏原宿に2.7坪のスニーカー並行輸入店「チャプター」をオープン。翌年、テクストトレーディングカンパニーを設立した。2000年に正規店の「アトモス」をオープンし、国内外に出店拡大。21年10月、米フットロッカーに3億6000万ドル(約400億円)で会社を売却した。23年1月に退社し、現在はおにぎり屋「ぼんこ」を経営する。著書に自身の人生を綴った「シューライフ『400億円』のスニーカーショップを作った男」(光文社)

アトモスの創業者・本明秀文さんの独自の目線と経験から、商売のヒントを探る連載。スイスの金融大手、クレディ・スイスの破綻で、現金や債券がある日突然、紙屑になったというニュースは衝撃だった。リーマンショックから2020年までに刷られたお金の量は、それまでの6倍。さらにコロナ禍で、それをはるかに上回るお金が世の中に溢れた。量が増えれば、下がるのはお金の価値だ。僕らは世界の金持ちたちの掌で踊らされている――今回は、そんなことが脳裏をよぎるトレカのよもやま話。(この記事はWWDジャパン2023年5月15日号からの抜粋です)

本明秀文・アトモス創業者(以下、本明):村川ちゃんはリサイクルショップの「ベクトル(VECTOR)」を経営していて、最近、個人的にマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)のトレカをコレクターから600枚買い取ったんだとか。今、かつては考えられなかったような“どうでもいいモノ”がお金になっている。そういうモノを集めさせたら、村川ちゃんは世界でもトップクラスだと思う。ベクトルではトレカの取り扱いはしていないの?

村川智博・ベクトル社長(以下、村川):10年ぐらい前まではやっていたんですけど、当時は自分が知らないことも多過ぎてやめてしまったんです。でも今は「PSA鑑定」の権威が高まり地位を確立したので、再開しようかなと。

――PSA鑑定ってなんですか?

村川:1991年にアメリカで発足されたトレカを格付けする世界最大の鑑定機関です。日本には2018年に進出して、今は国内でも鑑定をできるようになりました。カードは袋を開けた瞬間に価値が決まるんですが、新品でも状態に差があって、傷や折れがなく、どれだけミント(完璧)に近いかを1〜10の10段階で評価します。鑑定済みのカードはバーコード(履歴)が入ったカードホルダーに入れられて取り出し不可の状態で依頼者に返されます。

本明:1枚鑑定するのに1万円以上かかるよね?

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