ファッション

阪急うめだ本店の新ゾーン「グリーンエイジ」がオープン 百貨店のセオリーに真っ向から挑む

 阪急阪神百貨店は12日、阪急うめだ本店8階に新ゾーン「グリーンエイジ(GREEN AGE)」をオープンした。“人と自然の共生”の旗印の下、ファッションやビューティ、食や雑貨など商品カテゴリーの枠組みを超えて約40ショップを集積。さらにラグジュアリーブランドとアウトドアブランドが垣根なく共存していたり、数時間ごとに催事を入れ替える大型のイベントスペースがあったりと、百貨店のセオリーにとらわれない挑戦的な売り場となっている。

ラグジュアリーとアウトドア
共通環境でシームレスに回遊

 約2300平方メートルの空間は緑を感じる植栽やモニュメントを随所に配した一体感のある作り。装飾には環境負荷が少ない建材を用いた。天井には大阪府内の間伐材を使った櫓(やぐら)をあしらい、床や柱には石灰石を主原料とした漆喰を使用した。

 これら共通環境の下で全ての商品を展開することで、客はブランドの垣根を意識することなく回遊できる。「パタゴニア(PATAGONIA)」「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」といったアウトドアブランドに並んで、「プラダ(PRADA)」「ミュウミュウ(MIU MIU)」「クロエ(CHLOE)」といったラグジュアリーブランドのショップが連なる。「ロエベ(LOEWE)」の修理・補修専門ストア「ロエベ リクラフト(LOEWE RE CRAFT)」では、ガラス張りの工房で職人がリペアする様子が見える。余剰レザーから作ったバスケットバッグ(6万8200円)などの限定アイテムも販売する。

「ステラ マッカートニー」
世界初のカフェ併設業態を実現

 エスカレーター脇には「ステラ マッカートニー(STELLA MCCARTNEY)」の世界初のコンセプトストアである「ステラズワールド バイ ステラ マッカートニー(STELLA’S WORLD BY STELLA MCCARTNEY)」。DJのターンテーブルをモチーフにしたブランド初のカフェではビーガンスイーツやドリンクを提供し、買い物の合間に一息つくことができる。ここでしか買えない商品が並ぶスーベニアショップも併設する。

買い取りや黒染め
モノを大切にする価値観に訴求

 自主編集売り場「グリーンエイジ エディット」では、家、自然、街をシームレスに行き来するライフスタイルを想定し、アパレルやアウトドアギア、自転車まで幅広く取りそろえる。併設する「リ・コンシェルジュ」のカウンターでは、アウトドア用品のレンタルやコメ兵による買い取り、京都紋付による黒染めなどを受け付け、モノを大切にする価値観に訴えかける。

数時間で入れ替わる催しで
“自然との共生”を広く発信

 「これまで小売業において“リアル”は店舗と同義だったように思うが、私たちはその枠を店の外まで広げていく。地域のコミュニティーと共存しながら自然共生型ライフスタイルを一緒に作り上げていく場所にしたい」と石田良太グリーンエイジ営業統括部ゼネラルマネージャー。そのような考えの下、ゾーンの中央にはグリーンエイジのコンセプトや価値観を体現する“場”を設けた。体験・イベントスペースの「コミュニティパーク」は催しを数時間ごとに入れ替える。たとえば、開店直後は惣菜マルシェ、昼過ぎにヨガ講座、昼下がりから夜にかけてワークショップ、映画上映といった具合だ。少なくとも年間500以上の催しを用意することになる。宮本ディビジョンマネージャーは「必死で準備をしてお客さまを楽しませたい」と話す。

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