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“国内最大級”のホテル×エンタメ施設「東急歌舞伎町タワー」誕生 インバウンド客の”夜遊び”需要に焦点

 東急と東急レクリエーションは、4月14日開業の「東急歌舞伎町タワー」をメディア公開した。同館は、14年末に閉館した映画館「新宿ミラノ座」「グリーンプラザ新宿」の跡地に構え、西武新宿線新宿駅に隣接する。敷地面積約4600平方メートル、延床面積約8万7400平方メートルで、地上48階、地下5階。このうち、地下1〜4階はライブホール「ゼップ新宿(Zepp Shinjuku Tokyo)」とナイトエンターテインメント施設「ゼロトウキョウ(ZEROTOKYO)」、1〜5階はフードホールやレストラン、ダンジョン体験施設など、6〜8階は劇場「シアターミラノ座(THEATER MILANO-Za)」、9〜10階は映画館「109シネマズプレミアム新宿」、17〜47階は「ホテルグルーヴシンジュク、ア パークロイヤル ホテル(HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel」と「ベルスタートウキョウ、ア パン パシフィック ホテル(BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel)」が入る。地下1階には、羽田空港と成田空港直通のリムジンバス乗降場を設ける。

 渋谷を拠点にする東急が、沿線を持たない新宿で、“国内最大級のホテルとエンタメの複合施設”(高さ200m以上で、映画館や劇場、ライブホールなどが入る、22年3月未来トレンド研究機構調べ)を設けた背景とは。また、新宿と立地でもオフィスフロアなしにホテルとエンタメに絞った理由について、木村知郎東急執行役員・新宿プロジェクト企画開発室市長兼TSTエンタテイメント社長は、「コロナ禍を経て、一気にECが活性した。物販は売り上げの山をつくるのが難しい。そこで歌舞伎町という立地も考え、オフィスや物販よりもエンタメに振り切り、ライブや劇場といった期間を設けたイベントで大きな山を想定できるプロジェクトを描いた。(商業施設を運営してきた)われわれにとって、チャレンジだった。街にわざわざ来てもらうということを開発のテーマに、宿泊やエンタメのニーズの高さに重点を置いた」と話す。また、海外観光客の「東京はナイトエンターテインメントが少ない」という声を拾い、TSTエンタテイメントを合弁で設立したソニー・ミュージック・エンターテインメントと提携するなど、最新鋭の技術の音響やデジタルなどを採用し、これまでにないナイトエンターテインメントを提供するという。「東急としては渋谷などそれぞれの街での役割を果たし、歌舞伎町では特にインバウンド需要を狙い、海外の方に選ばれる場所になりたい」。

「ゼップ新宿」と「ゼロトウキョウ」で朝から朝まで遊べる

 地下1〜4階の「ゼップ新宿(東京)」は、スタンディング約1500人、シーティング約500人収容可能な新宿エリア最大級のライブハウス。これまでの「ゼップ」ホールよりもコンパクトなサイズ感で、アーティストとの距離を近く感じられる空間も特徴だ。また、「ゼップ」ホール初の360度LEDビジョンなどを導入した。地下2〜4階には、3フロア5エリアの国内最大級のナイトエンターテインメント施設として「ゼロトウキョウ」が登場。国内外のアーティストによるDJプレイのダンスフロア、パフォーマンスなどを連日開催する。営業時間は「ゼップ新宿」が9〜22時、「ゼロトウキョウ」が22時30分〜4時30分。

東京の新感覚レストラン&ゲームのエンターテインメントを体験

 1〜5階の各階では、エンターテインメント&レストランが入る。特に目を引くのは、「恵比寿横丁」や「渋谷横丁」などを手掛けた浜倉的商店製作所によるフードホール「新宿カブキホール〜歌舞伎横丁」だ。約1000平方メートルのスペースには、「祭り」をテーマに食と音楽、映像を融合した10店舗が仕切りなしにあり、日本国内から韓国までの地域料理やB級グルメなどが味わえる。DJブースやミラーボール、ネオンで歌舞伎町というエリアを新しく描いた。この他のフロアでは、ゲームとフード、イベントなどを複合させたバンダイナムコアミューズメントの新業態、アミューズメントコンプレックス「ナムコ トウキョウ(namco TOKYO)」、新感覚のミッション攻略型のアトラクション、ダンジョン攻略体験施設「ザ トウキョウ マトリックス(THE TOKYO MATRIX)」などが集結する。

坂本龍一監修の音響システム&全席プレミアムシートの映画館

 跡地から唯一名を残した、6〜8階の「シアターミラノ座」は、演劇や音楽、映像などを体感できるライブエンターテインメントシアター。総客席数は約900になる。9〜10階は、全席プレミアムシートを採用した新業態の「109シネマズプレミアム新宿」。約2000席が入る広さの劇場内に、752席が埋まる2種類の大型シートを設けた。また、全シアターの音響を音楽家の坂本龍一氏が監修した音響システム「SAISON -SR EDITION-」を導入。極限までリアルな音を追求しているという。さらに、映画館内のラウンジなどの楽曲も特別制作した。

「エヴァ」コラボルームはおみやげ付きで1泊3万8200円から

 東急ホテルズが運営する2つのホテルは、シンガポールのパン パシフィック ホテルズ グループ(PAN PACIFIC HOTELS GROUP)とソフトブランド契約を締結した新業態。18〜38階に入る「ホテルグルーヴシンジュク」は、27平方メートルからの6タイプの客室を用意。目玉は、24階をエヴァンゲリオンでジャックした「ライフスタイルホテル エヴァ(LIFESTYLEHOTEL EVA)」。サイズが異なる3タイプの客室があり、最小の22〜26平方メートルの“エントリー”は1泊3万8200円〜。全室でオリジナルアメニティが特典として付く。39〜47階に位置する「ベルスタートウキョウ」は、97の客室やスパ、レストランなど。メゾネットタイプなど5室のペントハウスは、地上200mの大パノラマを望むことができる。なおホテルの開業は5月19日。

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