ファッション

1%の残在庫をアートに昇華 マッシュが韓国の現代アーティストと作品制作

 マッシュホールディングス(HD)はこのほど、売れ残りの在庫商品をアートとして昇華する取り組み「サステナブルアートプロジェクト」を始動した。その第一弾として、韓国の現代アーティストのチェ・ジョンファ氏とアパレル、靴などを再利用したモニュメントを制作した。同社の顧客向けチャリティーセールイベント「マッシュパークプロジェクト」の開催期間中(11月18〜19日)、会場の東京・麹町のマッシュHD本社2階で展示している。

 「スナイデル(SNIDEL)」「フレイ アイディー(FRAY I.D)」などのワンピースやスカート、バッグを塔のように積み上げたり、パンプスやサンダルを吊るして環状に巻き上げたりと、静と動の抑揚を効かせたアートが並ぶ。チェ氏は「(マッシュの倉庫にある)材料を自由に使ってアート作品を作れることは刺激的だった」と振り返り、作品のコンセプトを問うと「100年先も残る作品には、説明はいらないものだ」と自信をのぞかせた。

 チェ氏は1961年、ソウル生まれ。ダイナミックな色使いと造形による作風が特徴でサステナブル素材による作品にも取り組んでおり、2005年ヴェネツィア・ビエンナーレ韓国代表作家、18年平昌パラリンピックのアートディレクターを務めた。

 プロジェクトの構想期間はおよそ3年。近藤広幸社長がタイ・バンコクの美術館で、不要な日用雑貨を使い壮大なアートに仕上げるチェ氏の作品を目にし、「サステナビリティという概念を、美しく、楽しいものとして伝えるとはこういうことかと、感銘を受けた」ことが協業のきっかけになった。

 作品は一部をマッシュHD本社に残し、それ以外はアウトレット店舗などに設置する。「アートは従業員にはもちろん、目に触れた人たち、特に子供たちの感性に訴え、記憶に残るものになればうれしい」と話した。

 同社のファッション事業において、セール販売やアウトレットでも最終消化できない商品は全体の約1%。これを廃棄せず新しい価値を吹き込む手段として、今後もプロジェクトの継続実施を視野に入れる。

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