ファッション

小田急百貨店、本館55年の歴史に幕 別れを惜しむ人が殺到

 小田急百貨店は2日、新宿店の本館の営業を終了した。新宿駅西口で55年間親しまれた本館との別れを惜しむ人が大勢駆けつけた。本館は閉まるが、売り場は隣の別館「新宿西口ハルク(以下、ハルク)」に移転し、4日から営業再開する。婦人服や紳士服がなくなるため、売り場面積は8割減の6000平方メートルに縮む。早くもあす3日から本館の建物の解体工事が始まり、商業施設やオフィスが一体となった48階建ての高層ビルが29年度に竣工する。ただ、そこに小田急百貨店が入るかは決まっていない。

 午後8時30分。特別なセレモニーは行なわず、平時と同じように静かに閉店する予定だったが、1階の入口と大階段に挟まれたコンコースは最後の瞬間に立ち合おうとする数百人の人たちで埋め尽くされた。想定以上の人が集まってしまったため、店側はセレモニーは行わない旨の場内放送を急きょ流し、混乱を収めた。本館の終了にあたって、顧客が別れの言葉を書き込むメッセージボードや店舗の歴史を振り返る写真などの展示は行わなかった。本館は閉まるものの、あくまでハルクへの移転というスタンスを明確にした格好だ。

 「売りつくしセール」のにぎわいとは別に、建物の外観や看板、案内板、エレベーター、階段、屋上の稲荷神社などを撮影する光景があちこちで見られた。婦人服の売り場では馴染みの販売員に別れのあいさつをする常連客の姿もあった。川崎市から来た60代の女性は「(新宿の)西口に勤めていた独身時代から、ここ一番の服を買うのは小田急だった。(移転して)洋服の売り場がなくなってしまうのはさみしい」と話した。

 4日にハルクに移転するのは、主に化粧品、食品、ラグジュアリーブランドなど限られたカテゴリーのみで、本館で最大の面積を占めていたアパレル(婦人服、紳士服、子供服など)はなくなる。このため一部のブランドは隣の京王百貨店に移転し、顧客の受け皿になった。

 小田急百貨店新宿店の本館の営業終了は、親会社である小田急電鉄や東京メトロなどによる新宿駅西口地区の再開発に伴うもの。隣接する商業施設「ミロード新宿」もモザイク通りなどのエリアが23年3月、甲州街道に面する本館が25年4月以降にそれぞれ営業を終える。隣接する京王百貨店の親会社である京王電鉄も今年4月、京王百貨店の跡地にホテルと商業施設を併設した19階建てビルを40年代に建設すると発表しており、新宿駅西口は長期的な再開発に突入する。

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