ファッション

シャネル、21年の売上高は2兆円に迫る勢い 「今後も価格改定をする予定」

 シャネル(CHANEL)の2021年12月通期の売上高は、前期比54.7%増の156億3900万ドル(約1兆9861億円)、営業利益は2.5倍以上(同170.6%増)の54億6100万ドル(約6935億円)、純利益はおよそ3倍(同194.7%増)の40億2600万ドル(約5113億円)だった。

 コロナ禍以前の19年との比較でも、売上高は27.4%増、営業利益は57.5%増、純利益は68.5%増とそれぞれ大幅に上回った。

 部門別に見ると、ファッション部門はレザーグッズとウエアがけん引。ウオッチ&ジュエリー部門も各地域で売り上げを伸ばし、いずれの部門も2ケタ成長となった。フレグランス&ビューティ部門は、主要国では地元客による売り上げが堅調だったものの、免税店などのトラベルリテールはまだ回復の途上にあるという。

 地域別に見ると、欧州の売上高は前期比40.1%増の40億4200万ドル(約5133億円)、南北アメリカは同79.5%増の35億2900万ドル(約4481億円)、アジア太平洋地域は同53.5%増の80億6800万ドル(約1兆246億円)だった。

 22年に入ってからは、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、新型コロナウイルスの感染再拡大を受けた中国本土でのロックダウンなどの事態が起きている。しかし、フィリップ・ブロンディオ(Philippe Blondiaux)最高財務責任者(CFO)によれば、ロシア市場の売り上げは全体の1.5%程度に過ぎず、1~5月の業績は2ケタ成長と引き続き好調だった。

 なお、5月24日の時点では中国本土で運営する16店のうち5店が休業中で、フレグランス&ビューティは全体の3分の1程度に相当する35の売り場がやはり休業しており、従業員の約30%がロックダウン下にあるという。同氏は、「中国のロックダウンによる影響は当然あり、4月は中国市場で2ケタのマイナス成長となったが、全体では2ケタのプラス成長だった」と述べた。アジアでは、特にシンガポール、台湾、マレーシア、韓国が好調だったほか、観光客が戻りつつある米国も業績を伸ばした。

 ここ数年、生産コストや人件費の上昇などを受け、ラグジュアリーブランドでハンドバッグの値上げが続いている。中でもその幅が大きいのは、21年1月から22年2月にかけて米国で29%の値上げをしたモデルもある「シャネル」や、同じく66%の値上げをしたモデルがある「ルイ・ヴィトン」だろう。「シャネル」は、22年3月にも定番バッグ4モデルと22年春夏コレクションを値上げした。値上げ幅はEUが6%、英国5%、日本8%、韓国5%、香港2%で、例えばEU圏における“11.12”モデルは7800ユーロ(約105万円)から8250ユーロ(約111万円)に引き上げられた。

 ブロンディオCFOは、今後も通貨価値の変動やインフレの影響などを踏まえて商品価格を調整すると述べた。「当社では通常、年に2回価格を改定する。これまでそうしてきたので、今後もその予定だ。『シャネル』の製品は、最高級の素材、比類のないクリエイティビティー、素晴らしいサヴォアフェール(受け継がれる職人技術)を持って作られており、それらに基づいて値段を決定している。21年の業績を鑑みるに、顧客は『シャネル』のそうした姿勢を理解してくれていると思う」。

 米投資銀行ジェフリーズ・グループ(JEFFERIES GROUP)のアナリスト、フラヴィオ・セレーダ(Flavio Cereda)とキャサリン・パーカー(Kathryn Parker)は、「シャネル」は“11.12”モデルを20年に約20%、21年には約30%値上げをしていることから、21年における売上高の伸びはボリューム(生産流通量)の拡大によるものではなく、主に値上げの結果ではないかと分析した。一方、ブロンディオCFOはこれを半々程度だとしている。「21年の成長はボリュームと価格改定の両方によるものであり、そのバランスは取れている」と説明した。

 シャネルの21年における設備投資額は7億5800万ドル(約962億円)で、そのうち3億ドル(約381億円)近くを新規出店や店舗網の統廃合に、2億ドル(約254億円)以上を新たなレザーグッズの工房の設立やパリ本社の改修に、1億ドル(約127億円)以上をデジタル強化に使用した。なお、22年の設備投資額は10億ドル(約1270億円)以上となる予定で、その中にはサステナビリティ関連への投資のほか、グローバルで3500人以上を雇用するための費用も含まれているという。

 シャネルは気候変動対策にも本腰を入れており、温室効果ガスの排出量について、21年はスコープ1と2(スコープ1は自社の燃料の燃焼等による温室効果ガスの直接排出。スコープ2は自社が購入した電力・熱の使用による温室効果ガスの間接排出)をそれぞれ5%と58%削減。また、同社は25年までに再生可能エネルギーに100%切り替えることを目標としているが、21年は92%となっており、20年の70%から大きく前進している。

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