ファッション

「クロエ」のガブリエラ・ハーストがCOP26に参加 環境問題への取り組みは「サバイバルのために」

 「クロエ(CHLOE)」のガブリエラ・ハースト(Gabriela Hearst)=クリエイティブ・ディレクターは、イギリス・グラスゴーで開催中の第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)に参加し、講演を行った。

 ハーストは、ニューヨークの高級レストラン「イレブン・マディソン・パーク(ELEVEN MADISON PARK)」のダニエル・ハム(Daniel Humm)=チーフ・オーナーと、現代アーティストでニューヨークの非営利文化センター「パイオニア・ワークス(PIONNER WORKS)」創始者のダスティン・イェリン(Dustin Yellin)とともに登壇。ハム=チーフ・オーナーは食料不安を抱えるニューヨーカーに100万食近くを提供し、イェリン創始者は人間と自然をテーマにした作風で環境保護を訴えており、ファッションとフード、アートのそれぞれのサステナビリティについて、パネルディスカッションを行った。

 ハーストは、自身の名を冠したブランドを6年前に創設し、長期的な観点やサステナビリティへの価値観に基づいてデザインを手掛けてきた。2017年には、コレクション全体の30%をデッドストック素材で構成し、プラスチックの使用を避け、ショーの全要素を再利用するという、初のランウエイショーを披露した。さらに19年には店舗や倉庫でプラスチックフリーを実現し、同年に発表した20年春夏コレクションでは、ファッション業界初のカーボンニュートラルのショーを成功させている。

 同氏は20年12月に「クロエ」のクリエイティブ・ディレクター就任後、コレクションで使用する環境低負荷型素材の割合を21-22年秋冬は40%に、22年春夏シーズンは58%に拡大させている。より多様な社会的企業や、職人の手で作られる製品を増やす取り組み“クロエ クラフト(Chloe Craft)”も導入するなど多角的な活動が認められ、「クロエ」は21年10月に社会や環境に配慮した公益性の高い企業に与えられるBコープ認証をラグジュアリーメゾンで初めて取得している。

 講演会でハーストは「たとえ私がもたらすことのできる変化が些細だったとしても、誠心誠意取り組んでいきたい。サバイバルのために参加するのだから」と語り、今後も気候変動問題に向き合う決意を示した。

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