ビューティ

ミルボンがバーチャルイベントスペースを開設 コロナ禍でも美容師が学べる場づくり

 美容室向けヘアケア化粧品メーカーのミルボンは、スマートフォン用アプリのバーチャルイベントスペース「ミルボン デジタルアリーナ」を開設した。入場者それぞれがアバターをコントロールして見たいものや視点を選ぶことができ、自由度の高いデジタルを活用したイベント体験を提供する。アメリカや韓国、マレーシア、タイ、ベトナムなど世界12の国と地域で使用できる。場所や人数に制限されずに世界各地からアクセスが可能で、世界中の美容師がつながることができる空間だ。

 「ミルボン デジタルアリーナ」は、エントランス、フォトギャラリー、イベントホール、セミナーブースの4つのエリアで構成する。エントランスとフォトギャラリーは常時入場が可能で、イベントホールやセミナーブースではチケットを販売しヘアショーや技術セミナーなどを実施する。7月7日には「ミルボン デジタルアリーナ」を活用して美容師の技術コンテスト「DA アワード」を行う予定だ。

 ミルボンは美容師向け大型イベントを世界5地域(日本、韓国、中国、台湾、マレーシア)で毎年実施し、各エリアの代表を集めた「DA アワード」を開催してきた。美容師や専門学生など約1万5000人上る総来場者を集めてきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響によって開催できなかった。「美容師は時流の変化に合わせて常に新しい知識や技術を身につけていく“学び”が求められる仕事。独自性や創造性が常に求められるヘアデザイン技術においては、リアルな場でのセミナーやイベントが発想のヒントを得る場だった。しかし地域差や労務問題からイベントをリアル開催することに課題もあった。また美容室と顧客双方にとって生産性や利便性の向上がリアルだけでは難しくなっていた。さらにコロナ禍によって、リアルでのセミナーやイベント実施が困難になってしまった」と佐藤龍二社長はコメント。美容師が創造性を磨き、発想のヒントを得る機会を守る、美容師の学びを止めない、という思いから開設に踏み切ったという。

 同社は3年半前からデジタル化の波を捉え、DX戦略を推進する。昨年ローンチしたBtoBtoC型のECプラットフォーム「milbon:iD」を中心に、小商圏化に対応するための「エリアマーケティングサポート」、オンライン学習「エデュケーションiD」、バーチャルイベント空間「ミルボン デジタルアリーナ」を柱に4億円を投じ、美容師や美容室がデジタルを活用して生産性を上げるためのサポートを積極的に取り組んでいる。

 佐藤社長は「デジタル化をすることが目的ではなく、あくまで一つの手段である。美容師を通じて、顧客、つまりは生活者に寄り添う。リアルとデジタルの最適なバランスを探し、美容室の価値をもっともっと高めていく。『ミルボン デジタルアリーナ』は将来的には一般のお客さまが美容室を通じてIDを受け取ってイベントに参加できるような空間にしていきたい」と展望を語る。

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