特集・連載

「コム デ ギャルソン」のモノクロームの景色 “過剰な情報”から逃げたい感情

 「コム デ ギャルソン(COMME DES GARCONS)」は3月22日、2021-22年秋冬コレクションを東京・南青山の本社で発表した。前シーズンに続いて、オンライン化したパリ・コレクションには参加せず、限られた関係者を招待してリアルのファッションショーを行った。

全20ルックをモノトーンで構成

 会場には、ぼやけた光と影がプロジェクターで映し出され、足元には地面を真っ白に覆うスモークが焚かれている。ファーストルックは、白いチュールが前後に突き出したスカートと、黒いジャケットを合わせたようなミニドレス。頭には穴の開いたシルクハットをのせている。シルエットは古典的なヨーロッパのドレスやテーラードなどクラシカルなアイテムを彷彿とさせながら、静けさと、強さを放つ。続いて、大きな球体をチュールで覆ったドレス、ヒップにボリュームのあるバッスルスタイルのドレスなど、棉を詰め込んで大きな膨らみを持たせたルックや、頭をすっぽり覆う白いビッグジャケットも登場。披露された全20体のルックは全てモノトーンで構成され、鮮やかな色は皆無だ。

“雑多なことから逃れて一息つきたい”

 川久保玲デザイナーはショー後、今回のコレクションを「私の感情を反映した」と説明。21年春夏は不協和音からポジティブなエネルギーを生み出したが、今季は静けさに着目したという。「過剰な色、音、繰り返す情報の波から逃げて、静かになりたい気持ち。雑多なことから逃れて一息つきたいという思いだけ。難しいことはなく、静かなコレクションになった」。シルエットについては「新しい形やシルエットを追求した結果」と一言。世界の誰もが、未曾有の不安に振り回されて“疲れ”を感じている今、その思いをクリエイションで代弁しているようだった。そして、その不安を形作る感情が塊となって、ドレスを誇張しているようにも見えた。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

2021年秋冬新色特集 目指すのは“自己肯定感”を育むメイク

「WWDJAPAN」7月26日号は「2021年秋冬の新色特集」です。従来のジェンダー規範にとらわれないトレンドはあったものの、ここ数シーズンはさらに自然体で、性別という区別を超えた「個性を生かした自分らしさ」を表現するビューティが支持を集めています。美容ジャーナリストの加藤智一さん監修のもと、より複雑化していく性属性や個性に対するブランドの取り組み、人気ブランドの「推しコスメ」を紹介します。

詳細/購入はこちら