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三越伊勢丹HD、命運かけた「再生プラン」 1対1のオンライン販売に活路

 三越伊勢丹ホールディングスは2020年4〜9月期、367億円の最終赤字に沈んだ。これを受け、来期を最終年度とする中期経営計画(営業利益500億円)を取り下げる。21年5月にはリアル店舗の抜本的な改革やデジタル化の加速などを盛り込んだ新中期計画「再生プラン」および長期計画を発表し、以降の巻き返しを図る。カギになるのはオンライン上での「ワン・トゥ・ワン(1体1)」の接客だ。

 中期計画の詳細はこれから詰める段階だが、最優先事項の一つがECやビデオ接客による「オンライン販売」の強化だ。オンライン販売の売上高は21年3月期に310億円での着地を見込んでいるが、22年3月期はこれを目標値400〜450億円に設定し、デジタル施策の推進でこれをさらに上振れさせられるとみる。

 トライアル中の新アプリ「三越伊勢丹リモートショッピング」では予約制でのビデオ接客機能に加え、紹介した商品をそのまま購買できる導線設計を可能にした。同社のEC「三越伊勢丹オンラインストア」の掲出商品数は、今期末までに伊勢丹新宿本店のSKUの8割以上に当たる15万型に到達する。来期以降は商品ページの充実など「質と効率」の向上でさらなる成長を見込む。これらの施策により、22年3月期末までにデジタル会員は10月末から約2倍の300万人、アプリ会員は200万人を計画する。

 同社の百貨店事業の20年4〜9月期売上高は前年同期比43.1%減の3051億円、営業損益は212億円の赤字。「(新型コロナによる)最悪の状況は脱しつつある」(同社)としながらも、影響の長期化も見越して10月〜3月は販管費の削減(7月から80億円減を想定)によるダメージ抑制、子会社三越伊勢丹不動産の売却など(特別利益150億円)による手元資金の増強で守りを固めており、来期から反転攻勢の構えだ。杉江俊彦社長は「(新型コロナが収束しても)リアル店舗の売上高は今後完全に戻ることはない」とした上で、これまでデジタルからリアル店舗への送客を主眼に置いていた方針を見直し、来客を前提としない販売を強化する姿勢を示した。

 リアル店舗に目を向けると、基幹3店で進めてきた大型改装は一旦凍結している。「だが、お客さまが望まれるMDに変えることは使命感を持ってやっていかねばらならない。細かいレベルでの入れ替えは進める。大型案件に関しても、コロナの状況を慎重に見つつ、お取引先様との交渉を再開したい」とする。

 子会社の三越伊勢丹が運営する首都圏店舗では、非効率な売り場の見直しなど運営体制の改善で人員の20%削減を達成。今後はこの運営モデルを全事業会社へ水平展開する。「集客力がある売り場であっても、収益性が低ければ見直しをかけていく」。

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