ファッション

高校のバイトからジーンズ専門店一筋、きっかけは上野店で父に買ってもらった「リーバイス」 ライトオン秋葉美咲

「ライトオン」は1987年にロードサイド型専門店としてスタートし、北関東を中心に店舗を拡大。現在ではショッピングセンターや駅ビルなどにも出店し、2020年9月末時点で全国に431店舗を展開している。ジーンズを買う店の一つとして、多くの人に認知されていると言っても過言ではない。その「ライトオン」がコロナ禍でデジタル施策を強化している。全国のショップスタッフがスタッフコーデを発信し、公式ユーチューブチャンネルも開設して、情報発信を行っている。その第一線で活躍しているのがライトオン アリオ葛西店の秋葉美咲店長である。

―ライトオンの公式サイトをチェックしたら、全国のショップスタッフさんたちのスナップが見られるようになって、ユーチューブチャンネルも開設していて驚きました。

秋葉美咲さん(以下、秋葉):そうなんです!今、全社を上げた取り組みでSNSなどを使って、情報発信を強化しているんです。オンラインストアでショップスタッフのコーディネートがチェックできるようになったのですが、その中から積極的にスナップをアップしてきたスタッフを中心に全国から60人のスタッフが選ばれて、個人のインスタグラムアカウントを通して発信をしています。私もその一人に選ばれまして、ライトオンの新作や自分のライフスタイルを発信しています。個人的には他社に比べて出遅れているように感じていますが、どう思います?

―私的には各社も小手先ではSNSをやってはいましたが、本腰を入れ始めたのはコロナ禍の後から。そんなに出遅れたようには思いませんよ。

秋葉:会社としては新しい取り組みですが、個人的には「遅い!」と思っていたので心配だったんです。でも、その一方で個人で情報発信するようになって、改めて情報発信することの難しさを痛感しているところです。

―そう思うとインスタグラマーはすごいですよね。写真の撮り方、ハッシュタグの付け方、どれ一つとっても『どうしたらバズるか』を常に研究していて、簡単に真似できないです。

秋葉:本当にそうなんです!今は店頭に立っていても一日中スマホをにぎりっぱなしで、少し時間があったらユーザーの反応をチェックしています。それまでは、こんなにSNSに張り付いてはいなかったので、まだまだ分からないことだらけ(苦笑)。最近は若いスタッフに「どうやったらウケるかな?」と聞いたり、インスタの本を読んで勉強したり、人気アカウントを見て研究しています。

―ところで販売の仕事を始めた経緯は?

秋葉:高校3年生のときにライトオン上野店でアルバイトをはじめました。卒業後もそのままアルバイトを継続し、社員に昇格し、今に至ります。社員になりたての頃は店長になることをとても迷いましたが、当時の上野店の店長の仕事ぶりにあこがれて、5年前に店長になると決心をして、4年前に店長に昇格しました。

―上野店の店長とはどんな方?

秋葉:リーダーシップがあり、販売力もあって、しかもスタッフからの信頼も厚くて、とても尊敬されていました。例えば、全店での強化商品があるすると、上野店を売上1位にするためにまずは店長自身が率先して販売するんです。さらに自分だけが売るだけでなく、この商品を強化している理由やこの商品のすごいところ、良いところを丁寧に教えてくれるので、私含めスタッフたちも「この商品はこんなにすごいんだ!これはお客さまに伝えないと!」という気持ちが湧くんですよね。そういう姿を見て、私もそうなりたいと思いました。不安もありましたが、社員として働いていく以上、少しでも憧れの存在に近づきたいなと。

―素晴らしい店長ですね。とはいえ、高校生でアパレルのアルバイトは少ないのでは?とりあえず飲食店から初めてみるイメージがあるのですが。

秋葉:確かにアパレルで働けるところは少ないですが、強い憧れがありまして。中学生の頃から友達に「働けるようになったらアパレルで働きたい!」とずっと話していたくらい、この仕事をしてみたかったんです。

―ファッションに興味を持ったきっかけは?

秋葉:父がジーンズ好きで、子供の頃からよく一緒にライトオン上野店に行っていたんです。その頃に買ってもらった「リーバイス」のブーツカットデニムがずっと印象的な思い出として残っていて。中学生の頃はマルキュー全盛期で、カリスマ店員にも憧れていました。でも、マルキューブランドだと高校生のアルバイトはなくて…。それに販売員として働くのなら、専門的な知識を必要とするような商品を扱うショップもいいなと考えていたので、高校生でもバイトができるライトオンで働き始めました。

―確かにジーンズが好きな方はこだわりが強そうで、専門的知識も問われそうですね。

秋葉:特にアメ横のすぐ側にある上野店は土地柄、こだわりの強い競合他社が多いですし、訪れるお客さまもジーンズに詳しい年配の方が多くて、私よりも皆さん詳しかったです。私が生まれる前からジーンズをはいてきた方々に知識では負けたくないとまではいきませんが、商品を提供する立場として伝えられることもあるのではないかと考えながら店頭に立っていました。

―それにしても子供の頃から慣れ親しんだライトオンに深い縁を感じますね(笑)。そこで、秋葉さんにとってジーンズの魅力とは?

秋葉:基本はジーンズカジュアルが好きなんですけど、キレイ目にしたいと思ったときや大人っぽいスタイルをしなくてはならない時にでも、実はジーンズって合うんですよ。それこそTシャツと合わせてシンプルに着こなすとカッコいいし、意外と万能で色んなコーディネートに合うアイテムなんです。だから、つい新しいシルエットが出てくると欲しくなります。それに5ポケットでも、ストレートやスキニー、ブーツカット、テーパードなどの様々なシルエットがありますし、オーバーオールやショートパンツ、スカートなど、デザインも豊富にあって、毎日でも違うものが着られるくらい、無限にアイテムが広がっていくのも楽しいです。

―ジーンズ愛ですね。でも、意外とジーンズを一度もはいたことがないという方も結構いると思うのですが。

秋葉:実際に初めてのジーンズを買いに来られるお客さまも意外と多いですよ。

―どういった理由が多いのですか?

秋葉:ある方はお母さまの影響で買いに来たと話していました。ちょっと前に両親が若い頃に着ていた服をおしゃれに着るのがブームになった時です。お母さまの当時のジーンズをはいたら興味が湧いて、自分用を買いに来たとおっしゃっていました。ジーンズって、素材が固いとか、はきにくい、ブランドによっては高価というイメージがあるようですが、新しい素材もどんどん出てきてはきやすくなっているので、ぜひ一度は手に取ってもらいたいんです。はいたら良さがきっとわかるはず!

―私もジーンズ好きなので、“はかず嫌い”はしないでほしいと思います。ですが、今シーズンからトレンド寄りの商品がぐっと増えましたよね。

秋葉:そうなんです!トップスというと、今まではTシャツやスエットなど、ベーシックなカットソーばかりでしたが、今シーズンからトレンド性の強いアイテムも増えているんですよ。今までのライトオンでは考えられない商品が入ってきて、私もびっくりしています。これから入荷される商品もすごく楽しみです。今まで通り、手の出しやすい価格帯のジーンズもありますが、キレイな目アイテムも増えているので、これを機会にライトオンの商品をたくさんの方に知ってもらいたいです。

―ジーンズ専門店として知名度はあるものの、逆に「ジーンズしか売ってないんでしょ?」的な見方をされることも多いですよね。

秋葉:初めて会う方に「どこで働いてるの?」と聞かれて、「ライトオン」と答えるとご存知な方が多いんですけど、知名度の割には商品のことが知られていないように感じました。どんな商品を売っているか分かれば、必ずお客さまも増えると確信しているので、今はSNSを使って自分が情報を発信していこうと動いています。実は先日はユーチューブチャンネルの撮影をしてきたんです。

―今度はユーチューブデビューですか!頑張ってますね。

秋葉:今回はコーディネート企画の撮影でしたが、今後もエンタメ性のある企画も上がっているようです。スナップやインスタだけでなく、色んなツールを使ってライトオンの魅力を発信しているところです。商品だけでなく、情報発信したり、ユーチューブにも力を入れはじめ、ライトオンを知っている方からしたら「変わった」と思われると思います。「これがライトオン!?」と良い意味で裏切っていきたいですし、ライトオンを知らない若い世代のお客さまにも知っていただきたいです。今は色んなことに挑戦する新しいライトオンを見てもらいたいなって思います。

苫米地香織:服が作れて、グラフィックデザインができて、写真が撮れるファッションビジネスライター。高校でインテリア、専門学校で服飾を学び、販売員として働き始める。その後、アパレル企画会社へ転職し、商品企画、デザイン、マーケティング、業界誌への執筆などに携わる。自他ともに認める“日本で一番アパレル販売員を取材しているライター”

最新号紹介

WWD JAPAN

アウトドア消費の現在地と未来 ブームは一過性か、それとも日常に定着するか

「WWDジャパン」11月30日号は「アウトドア」特集です。アウトドアウエアが日常的に着用され、商業施設の目玉テナントとして誘致されるなど、市場を席巻しています。キャンプやハイキングなどはコロナ禍に最適なレジャーとしても注目されていますが、このブームは一過性のものなのか、あるいは日常に定着するのか。特集では、自然の豊かさを多角的に発信するアウトドア企業のトップや、ファッション視点で市場を見てきた名物…

詳細/購入はこちら