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破綻のJ.クルー、事業再建へ 破産裁判所が承認

 日本の民事再生法に当たる米連邦破産法第11条の適用を5月4日に申請していたJ.クルー グループ(J.CREW GROUP以下、J.クルー)の公聴会が、同5日にバージニア州の破産裁判所で開かれた。

 同社は米ヘッジファンドのアンカレッジ・キャピタル(ANCHORAGE CAPITAL)などの債権団と協議の上、総額20億ドル(約2120億円)以上となる負債のうち16億5000万ドル(約1749億円)を株式に転換することに合意し、4億ドル(約424億円)のDIP融資(倒産手続きに入っている企業に対する新規融資)を確保していた。今回の公聴会でこれが暫定的に承認されたため、当面の運転資金や債務返済などに充てて事業再建を目指す。また再建に当たっては取引先との関係を維持することが望ましいため、主なサプライヤーに対する未払金を2000万ドル(約21億円)まで支払うことも裁判所によって承認された。

 同社の主力ブランド「J.クルー」は、プレッピーでクラシックなカジュアルブランドとして人気を博し、一時はミシェル・オバマ(Michelle Obama)前大統領夫人やメーガン・マークル(Meghan Markle)=サセックス公爵夫人(メーガン妃)が愛用していることでも名を馳せたが、ここ数年はトレンドとの乖離などによる業績悪化に苦しんでいた。また同社が2010年11月に行った30億ドル(約3180億円)規模のLBO(レバレッジドバイアウト)に伴って負債が膨らんだことも、経営に重くのしかかった。債務返済のため、好調な姉妹ブランド「メイドウェル(MADEWELL)」の分社化と上場を計画していたが、その矢先に新型コロナウイルスが世界的に流行して断念している。

 5月4日の時点で、同社は「J.クルー」181店、「メイドウェル」140店、アウトレットストア170店を運営している。店舗の家主はおよそ140社で、賃料は月額2300万ドル(約24億円)に上る。事業再建に当たり、賃料の交渉も行っていく。

 J.クルーの20年1月通期の売上高は前期比2.2%増の25億4013万ドル(約2692億円)とわずかながらも増収だったが、新型コロナウイルスの影響による休業で、20年はその35%に相当する9億ドル(約954億円)程度の売り上げ減が見込まれるという。同社は世界中でおよそ1万3000人の従業員を抱えていたが、パートタイムの従業員を中心に1万1000人程度を一時解雇しており、現在業務に携わっているのは2000人の正社員のみとなっている。

 ムーディーズ・インベスターズ・サービス(MOODY'S INVESTORS SERVICE)のラヤ・ソコリャンスカ(Raya Sokolyanska)=バイス・プレジデントは、「アパレル業界はここ数年、ECの台頭などによってすでに苦難に直面していた。そこに新型コロナウイルスによる休業措置が追い打ちをかけており、メーカーや小売店は滞留在庫を売り払って何とか手元資金を確保しようと必死になっている。J.クルーのように財務基盤が弱い小売りの経営破綻は今後さらに増えるだろう」と語った。

 なお、米高級百貨店を運営するニーマン マーカス グループ(NEIMAN MARCUS GROUP)やJ.C.ペニー(J.C. PENNEY)も破産申請の準備中だと見られている。

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