ファッション

キャサリン妃は「ザラ」「H&M」も愛用 高見え上手な秋冬の着こなし方

 英国王室のキャサリン皇太子妃(Princess of Wales以下、キャサリン妃)は、公務でラグジュアリーブランドをまとう機会が多い一方で、プチプライスの庶民派ブランドも自分流に着こなしています。キャサリン妃流のコーディネートの強みは、出番に合わせてブランドを使い分ける“見極め力”の高さ。気負わないムードを醸し出しやすく、これからの季節の着こなしに役立つ“プチプラ・マジック”を、5つのスタイリングから発見していきましょう。

「ザラ」のワンピース
落ち着き柄と優美シルエットで節度あるたたずまいに

 学生たちとふれあうイベントに参加したキャサリン妃は、「ザラ(ZARA)」のチェック柄ワンピースを着用。胸元のボウタイ(リボン)とウエストの共布ベルト、クラシカルな格子柄によって、節度が保たれています。同系色のグレー系のハイヒールを合わせて、気品を感じさせます。

 キャサリン妃はワンピースの着こなしに定評があります。公式行事ではドレッシーな正統派タイプをまとうことが多いのですが、気取らない雰囲気のイベントには、周りを緊張させない、リラクシングなワンピースを選びます。それでいながら、王室レディーらしい品格があります。手頃な価格帯の服を主役にする場合は、落ち着いたモチーフや優美なシルエットを選ぶと、上品にまとまりやすくなることが分かります。

「H&M」のニット
リラクシングなサイズで伸びやかなムードに

 幼稚園を訪れたキャサリン妃は、「H&M」の白ニットで自然体のたたずまいに整えました。真冬の北欧、コペンハーゲンだけに、厚手のタートルネックセーターで保温に抜かりはありません。折り返したネック部分が分厚いため顔が小さく見えて、アウターとスキニージーンズで引き締めました。白ニットで子どもたちに優しさを見せながらも、活動的なスタイルに仕上げています。

 お手頃価格帯のアイテムが魅力的に感じられるのは、ニットウエアの分野です。一枚ではもちろん、シャツとレイヤードするのも秋冬シーズンならではの着こなし方。また、質感が目立ち過ぎないので、高見えするスタイリングの基本技でもあります。キャサリン妃もしばしばニットウエアをこのテクニックで生かしています。

「J.クルー」のニット
カジュアルニットは異素材のスカーフで格上げ

 ボーイ&ガールスカウトの集まりに参加したキャサリン妃がまとったのは、深みのある赤いニット。約50ドル(約7000円)の「J.クルー(J.CREW)」のものだそうです。襟が高すぎないモックネックに、ストライプ柄のスカーフを輪っか風に結び垂らして、ロングネックレスのように見せています。スカーフの色に、セーターの地色に近い赤系を選んで、色なじみをよくしました。黒のスキニージーンズにタフなブーツを合わせて、場の趣旨にふさわしいアクティブな雰囲気を漂わせています。

 ニットはカジュアルなイメージが出やすい素材ですが、スタイリングに一工夫するだけで手軽に格上げができます。着こなしのポイントは異素材アイテムとの組み合わせ。キャサリン妃のように、上質なスカーフやストールをネック周りに巻くと、気品が備わります。お手頃価格のアイテムを着る際に彼女が好んで用いる小技です。

「マンゴ」のニットトップスと「ザラ」のパンツ
トレンドのグリーンは深めのトーンを選んで

 グリーンの上下はまるでオールインワンのように見えますが、実は上下が別々。「マンゴ(MANGO)」の七分袖のニットトップスと、「ザラ」のゆったりとしたシルエットのパンツを組み合わせています。お手頃価格帯でそろえたコーディネートなのに、上品にまとまっているのは、深いグリーンを選んだおかげ。深めのラウンドネックと七分丈袖から素肌をのぞかせて、ヘルシーな印象に仕上げています。さらに、英国老舗スーパー「マークス&スペンサー(MARKS & SPENCER)」の白いスニーカーで、グリーンルックをさわやかに引き立てました。

 トレンドの勢いが続いているグリーンは、ナチュラルさや生命力をまとえる半面、アイテム選びとスタイリングが難しいこともあります。浮いて見えないコツは、トーンを落としたモス系ダークグリーンを選ぶこと。デザインに凝りすぎないシンプルな定番アイテムを取り入れるのも、グリーンを上手に操るポイントです。キャサリン妃の着こなしはここでも絶好のお手本になってくれます。

「マッシモ ドゥッティ」のジャケット
オーバーサイズで、優しげなオーラをまとって

 大学を訪れて、学生たちとの対話に臨んだキャサリン妃は、ゆったりとした「マッシモ ドゥッティ(MASSIMO DUTTI)」のジャケットに身を包みました。同ブランドは「ザラ」のアッパーブランドという位置付けです。いつもはジャストサイズを着ていますが、この日は学生たちの緊張をほぐす意味もあってか、珍しくオーバーサイズをまとっていました。英国伝統のチェック柄がトラッド風で、学生たちとのコミュニケーションにぴったりなジャケット選びと言えるでしょう。

 そこそこ値が張るジャケットのような大物アイテムこそ、リーズナブルなプライスで買い求めたいものです。素材感が大事だから、狙い目は“ちょっと上”ポジションのブランド。目利きのキャサリン妃はブランドの使い分けも上手です。

 これらのようにお手頃プライスの庶民派ブランドも、キャサリン妃の手にかかればクラス感がアップします。品格や節度を保ちつつ、穏やかでリラクシングな雰囲気を引き出すのが“キャサリン妃マジック”。着こなしのポイントは、シチュエーションに応じたムードの見極め。かしこまった席なのか、くつろいだ場なのか――シーンの意味合いを読み取ったうえで、ふさわしい装いを選ぶジャッジが見事です。リアルクローズをマルチに自分らしく着こなしたい人にとって、この上ないお手本と言えるでしょう。

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