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TSI上田谷社長、新型コロナ危機で「改革を早める」 20年2月期は営業利益97%減 

 TSIホールディングスの2020年2月期連結業績は、売上高が前期比3.1%増の1700億円、営業利益が同96.9%減の7000万円、純利益が21億円(前期は1億8500万円の赤字)だった。消費増税、暖冬、新型コロナの打撃で販売不振に陥り、販管費の増加も加わり営業減益となった。増収には上野商会の買収が、最終黒字には有価証券と不動産の売却益が寄与した。

 同社は販売戦略として、在庫抑制とプロパー販売を強化しているが、今期はブランド事業全体で粗利益率が前期比0.2ポイント低下した。稼ぎ頭の「ナノ・ユニバース(NANO UNIVERSE)」は同3.4ポイントの悪化。「売り上げ至上主義から脱却できなかった」(上田谷真一社長)。そのほかの主要ブランドにおいても、「ナチュラル ビューティー ベーシック(NATURAL BEAUTY BASIC)」が同0.2ポイント、「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」が同0.4ポイント、「パーリー・ゲイツ(PEARLY GATES)」が同0.7ポイント低下と軒並み数字を落とした。

 「在庫を絞ったが、それ以上に消費環境が厳しく、プロパー(正価)で商売できる期間を甘く見た」(上田谷社長)。3月には組織再編を実施し、子会社をまとめてカンパニー制を敷いて経営の集約化を図った。テコ入れとしてナノ・ユニバースの新社長にローズバッドの前川正典社長を据え、「MDを再構築していく」(上田谷社長)。

 EC売上高は前期比6.4%増の363億円で、自社EC比率も前期から2.2ポイント増加。店頭でのアプリ会員誘導などが奏功した。

 新型コロナの影響により、21年2月期の業績予想は未定とした。足元では、全体の約6割に当たる店舗を休業している。「(新型コロナによる)状況は一過性ととらえない。消費者意識が激変する中、現状の経営体質では生き残りは難しい。改革のスピードを一層上げなければ」と上田谷社長は危機感をにじませる。

 改革として、収益性の高い事業の選別、デジタル接客ツール導入による顧客体験向上などを進める。「これは変わるチャンスでもある。営業活動ができない今期は、やりたいと思っていた事業構造の抜本的な改革に取り組む」(上田谷社長)。

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