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緊急事態宣言で苦渋の決断が迫られる美容室 渋谷の人気ヘアサロン「シャチュー」のみやちのりよし代表に今の思いを聞く

 4月6日、政府の緊急事態宣言の発表を前にいち早く4月7日から当面の休業を決めた、東京・渋谷の人気美容室「シャチュー(SHACHU)」。これまでも短縮営業や予約の制限、土日の臨時休業を行うなどの対応をとってきた。他の美容室の状況を見ながら判断する美容室経営者が多い中、いち早く休業を決断した「シャチュー」のみやちのりよし代表に率直な思いを聞いた。

WWD:政府の緊急事態宣言が発表される前にいち早く当面の休業を決めた。

みやちのりよし(以下、みやち):自分の中では早いとは思っていません。やはり僕も含めてスタッフみんな、「こんな状況で働いていていいのか」という不安がありました。どれだけサロン内で衛生面などに気を使っても、お客さまに「100%安全だから来てください」とは言えないし、経営者としてスタッフの安全を考えると、休業すべきと判断しました。

WWD:他の美容室の動向などはチェックしていた?

みやち:それは気にしていませんでした。美容室の経営者としてはまだまだ未熟ですが、スタッフやお客さまを危険な目に合わせるべきではないという思いが強かったです。美容師は人を喜ばせる仕事なので、それが人を悲しませることになったらダメですよね。

WWD:一部では100平方メートル以下の美容室は“利用制限”に含まれないとの話もあるが?

みやち:それでも緊急事態宣言が出されている状況で、危機感は持っておくべきで、“利用制限”に含まれないからといって営業をすぐ再開することは考えていません。たとえ経営で失敗してもやり直しはできますが、命に関わることは取り返しがつかないですよね。命を取り戻せる可能性は0%でも、経営は1%の可能性があれば努力次第で取り返せます。

WWD:休業中はスタッフの給料も保証する?

みやち:当面は100%保証します。自分で言うのもなんですが、「シャチュー」は本当にいいスタッフばかりで、一人も辞めてほしくないと思っています。だからできる限りの保証はしていくつもりです。

WWD:ただ経営者としては休業というのは厳しいのでは?

みやち:そうですね。助成金や融資はもちろん考えています。正直言うと、先行きが分からないので僕もかなり不安はありますが、これまでもうまくいかない経験はたくさんしてきたので、今回も絶対に乗り切れると思っています。それよりも、何度も言いますがスタッフとお客さまの安全を考えたときに、絶対に守りたいという気持ちの方が強いです。

WWD:休業中は何をして過ごす?

みやち:スタッフは自主的にウイッグを持って帰って、家で練習しています。僕もオンラインなどを通して他の美容師さんのためになるようなことを発信できればと考えています。こうした機会なので、あらためて何ができるか考えたいと思います。

WWD:休業の件はどう伝えた?

みやち:インスタグラムでの告知と、あとはお客さまに電話で一人一人に連絡させていただいています。休業期間中は僕から連絡させてもらい、今回の休業の経緯などを話しているのですが、お客さまから応援の言葉をもらって、本当にうれしかったです。だからこそこの危機を乗り越えて、またお客さまを喜ばせたいです。いろいろな意見がある中で、僕のこうした判断が、「英断」と言ってもらえることもあるのですが、そうした称賛を得たい訳ではなく、ましてや英雄になりたい訳ではありません。ただただ僕としてはこの新型コロナの事態が一刻も早く収束して、安心して暮らせる日常が戻ってくるのを祈るばかりです。美容師のみなさん、大変な時期ですが、がんばりましょう。

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