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新型肺炎の影響が広がるファッション業界 「バーバリー」「カナダグース」「ザ・ノース・フェイス」など、中国での一時休業や業績の下方修正が相次ぐ

 新型コロナウイルスの影響が世界中のファッションブランドにも及んでいる。バーバリー(BURBERRY)は “新型コロナウイルスの影響について”というプレスリリースを2月7日に出し、中国本土にある64店のうち24店を一時的に休業していることを発表した。同社が1月22日に発表した2019年10~12月期(第3四半期)決算での売上高は前年同期比1.1%増の7億1900万ポンド(約1013億円)で、今後の見通しについても「1ケタ台の成長率」としていたが、今回のプレスリリースではそれが難しくなる可能性があることを示唆した。同社の売上高のうち中国本土は40%、香港は8%程度を占めていたが、長期化しているデモの影響によって第3四半期は香港での売り上げが全体のおよそ4%にまで落ち込んでいた。そこに新型コロナウイルスの被害拡大が追い打ちをかけた格好だ。

 マルコ・ゴベッティ(Marco Gobbetti)最高経営責任者(CEO)は、「中国本土で被害が拡大している新型コロナウイルスの影響で、ラグジュアリー分野の需要が全体的に落ち込んでいる。こうした事態がどれほど継続するのかは予想できないが、これまで実施してきた事業戦略を今後も自信を持って続けていく」と語った。なお、「バーバリー」は20-21年秋冬コレクションのショーを4月に上海で開催するが、これを予定通りに行うかどうかについては言及しなかった。

 カナダグース ホールディングス(CANADA GOOSE HOLDINGS)も同様に、20年3月通期決算の見通しを下方修正している。19年10~12月期決算の売上高は同13.2%増の4億5210万カナダドル(約370億円)と好調で、通期では前年比20%増程度を見込んでいたが、これを同13.8~15.0%増に修正した。ダニー・リース(Dani Reiss)社長兼CEOは、「新型コロナウイルスの猛威は短期的に見て大きな逆風だが、第3四半期の結果もよく、長期的には成長軌道にあるものと考えている」と述べた。

 「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」「ティンバーランド(TIMBERLAND)」「ヴァンズ(VANS)」などを擁するVFコープ(VF CORP)も、中国にある店舗の6割程度を一時的に休業した。なお、中国は同社の売り上げ全体の約6%を占めているという。スティーブ・レンドル(Steve Rendle)会長兼社長兼CEOは、「サプライチェーンへの影響を現時点で推測することは難しいが、売上原価の約16%相当を中国から直接調達しており、そのうち7%程度を米国市場で販売している。新型コロナウイルスによってアジア太平洋地域の売り上げが短期的な影響を受けることは避けられないが、同地域における当社の成長機会は非常に大きく、長期的には引き続き力強く成長するものと見ている」と説明した。

 なお、「マイケル・コース(MICHAEL KORS)」や「ジミー チュウ(JIMMY CHOO)」「ヴェルサーチェ(VERSACE)」を擁するカプリ ホールディングス(CAPRI HOLDINGS)も中国本土にある225店のうちおよそ150店を一時的に休業しており、19年度の売上高が1億ドル(約108億円)程度減少する可能性があるとしている。