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セレブ集結!! 「トム フォード」がロスで最新ランウエイショー、フィナーレで視線を送ったのは、誰?

 2月上旬。いつもならムラカミは、「やっぱナマ足は寒いねぇ」なんて言いながら、ニューヨーク・コレクション取材のためメガロポリスをショートパンツで駆けずり回っているハズです。でも、今はロサンゼルス!!今年はちょっぴり寒いみたいですが、それでも最高気温は20度オーバーのロサンゼルス!!NYにいる五十君&北坂記者、寒空の下、お疲れ様でございます。

 なぜムラカミはLAなのか?と言いますと、目的の一つは、今週記事をアップするビューティイベントのため。そしてもう一つは、「トム フォード(TOM FORD)」の2020−21年秋冬ファッションショーのため、なのでございます。トム樣は昨年、アメリカファッション協議会(COUNCIL OF FASHION DESIGNERS OF AMERICA)、つまりアメリカのデザイナーで構成する組合のトップに就きました。20-21年秋冬は就任2シーズン目ですが、なんと会長は昨年、「今回は、NYファッション・ウイークではなく、ロサンゼルスに」と宣言してしまったのです。「え~、会長がNYを離れちゃうの?」なんて意見もありましたが、トム様は「NYファッション協議会じゃなくて、アメリカファッション協議会だから。それにアメリカン・ファッションとセレブリティの関係は、切っても切り離せないもの。アカデミー賞の時期は、ロサンゼルスで見せる方が『トム フォード』、そしてアメリカン・ファッションらしいじゃないか」と反論して2月7日、アカデミー賞授賞式の前々日にLAで有名な撮影スタジオ、ミルク スタジオ(MILK STUDIO)でランウエイショーを開催してしまったのです。まぁ正直、「俺なら、どこでやっても来る人は来てくれる」と言う自信(そして、ムラカミはノコノコやってくるw)とか、「SNSの時代、メディアが減っても、セレブがくれば大丈夫」という戦略もあったことは間違いありません。

 さて、そんなトム様の言葉通り、20-21年秋冬ウィメンズ・コレクションには、そうそうたる顔ぶれのゲストが大挙襲来!!です。

 ご覧ください。この面々。カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)は会場でお化粧直ししていると「それは、(自分が手掛けている)『カイリー・コスメティクス(KYLIE COSMETICS)』なの?」とパパラッチに質問され、ジェニファー・ロペス(Jennifer Lopez)の隣には、レネー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)。デミ・ムーア(Demi Moore)がやって来たかと思えば、音楽界からはドクター・ドレー(Dr. Dre)やリル・ナズ(Lil Naz)、K-Popのティファニー・ヤング(Tiffany Young)とCL(随分貫禄がつきましたw)。経済界からは、アマゾンのジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)最高経営責任者(驚)!!初めて見ました!!ブランドによると、残念ながらトム・ハンクス(Tom Hanks)は仕事の都合で来場叶わず、だったらしいのですが、さすがは「トム フォード」。そしてアカデミー賞ウィークのロサンゼルス!!ショーが始まるまでご一緒だったライターさんは、始まる前から「アフターパーティーはあるの?みんな、来るの?」と大興奮。そして改めて「トム フォード」って、セレブに似合うなぁ、と痛感します。

 肝心のコレクションは、「トム フォード」らしくもロサンゼルスらしく、しかも、とっても今っぽい。サイコーでした。

 「ロサンゼルスで見ているから」と言うのも大きかったと思います。まずは序盤の、切りっぱなしのスエットのノースリーブに、総刺しゅうのスカートのルックで、ほとんどすでにノックアウト。その後も、ピタピタのロゴスエットにしっかり肩の入ったジャケット、パッチワークデニムのスカートとか、深いVネックが特徴のタイダイポンチョにスエットのジョギングパンツなど、「トム フォード」らしい官能的なセクシーさと、LAっぽいカジュアル、それに齢を重ねてきた最近のトム様が志向するピースフルな雰囲気が絶妙に入り混じり、「カッコいい!!でも、(8頭身じゃなくても)着られるかもしれない。もちろん、値段はさておき」という“うっとり”スタイルが続きます。アクセサリーは、大きなフェザーのイヤリングに、彫刻を施した柱のようなヒールのウェッジソール。大きなトートか小さなショルダー、もっと小さなiPhone&AirPodsケース。たった3つのアクセサリーでも、迫力の「トム フォード」らしさ、変わらぬクラシックへの敬意、そして、新しきに挑戦する意欲を感じるのです。

 メンズは、ミラノでも拝見した、明るいパステルに彩られたシルクサテンのスーツ。するとウィメンズも鮮やかなカラーパレットに一転。フューシャピンクやスカイブルーのざっくりニットに、同系色のスパンコールスカートという、これまたカジュアルとセクシーが絶妙に入り混じるスタイルに変わります。

 フィナーレは、シースルーのレース、ボンテージ、バストに大胆に走ったスリットがセクシーなブラックドレス。と思いきや、ラストは日本代表のモデル美佳ちゃんが、なんと純白のウエディングドレスで現れました!!BGMは、FugeesのKilling Me Softly With His Song。トム様ワールド、全開です。

 フィナーレのトム様は、今回も誰よりも演技派でクールでした。でも帰り際に目線を送った先には、ベルベットのジャケット姿の小さな男の子。彼がパートナーのリチャード・バックリー(Richard Buckley)と共に迎えた、子どもの姿がありました。数年前のインタビューで、「この僕が、オムツの交換で四苦八苦している。その時、現実っていうのはこんなモノで、それが素晴らしいと感じたんだ」と話してくれたことを思い出しました。あの時の価値観は、今も彼のコレクションに脈々と流れています。どんなにセレブがたくさんいても、どんなにセクシーでも、どんなにピカピカでも、ロサンゼルスらしい開放感と、育児真っ只中のリアリティ、そして、そこから日々感じる小さな幸せ。「トム フォード」のコレクションには、そんなバリューがたくさん散りばめられているのです。