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メンズコレ裏街道記 ロンドンメンズ最終日は運営の環境問題に対する取り組みに感心

 1月6日。曇り。あっという間にロンドンメンズの最終日。曇ったり晴れたりで、一番肌寒い日でした。

9:00「ハンツマン」

 若手のショーばかり見てきたせいか、老舗テーラーの「ハンツマン(HUNTSMAN)」で行われた朝食会兼プレゼンテーションは、いろいろな意味で安心感。既製服の新たなコレクションと、ツイードのビスポークという画期的な試みを紹介してくれました。過去に「アレキサンダー・マックイーン(ALEXANDER McQUEEN)」とコラボレーションしたコートなどの貴重なアーカイブも展示されていました。朝食はどれも美味しくて、つかの間の優雅な時間を過ごしました。

9:30「ルー ダルトン」

 お次は「ルー ダルトン(LOU DALTON)」の会場へ。男臭い英国クラシックを若々しく軽やかにするのが得意な印象ですが、今回はいつもより土っぽさが強くモデルの年齢層も高め。「グローバーオール(GLOVERALL)」や「ジョンスメドレー(JOHN SMEDLEY)」とのコラボも気になりました。スポーツウエア仕立ての新しい提案はあったものの、正統派すぎる気も。

10:00「フェン チェン ワン(FENG CHEN WANG)」

 英国クラシック2連発の後に、いきなりスターウォーズの世界。スモークがもっくもくな会場の床からは複数のライトセーバーが突き出ているようです。肝心の服はジェダイでもシスでもなく、ど真ん中のストリートウエアでした。ブルゾンとコートのハイブリッドやチェスター風のダウンなど、アウターが得意そうな印象でした。今後はオリジナリティーをいかに発揮できるかが楽しみです。

「フェン チェン ワン」2020-21年秋冬ロンドン・メンズ・コレクションから

11:00「スタジオ アルケ」

 ロンドンメンズのラストのショー「スタジオ アルケ(STUDIO ALCH)」の会場へ。リサイクル&オーガニック素材で、今っぽいストリートウエアを提案します。英国ナイキ(NIKE)のサポートを受け、公式のリメイクアイテムも登場しました。ちょっと気になったのは、秋冬シーズンのコレクションなのに、春夏のような薄着がたくさん出てくること。同ブランドだけではなく、ロンドンメンズでいくつかのブランドに見られた傾向です。シーズンレスの提案なのか、サステナブルへの意識が高いがゆえの材料不足なのか。いずれにせよビジネスにつなげないと意味がないので、メンズコレクションの期間中にもう少し考えてみたいと思います。

「スタジオ アルケ」2020-21年秋冬ロンドン・メンズ・コレクションから

番外編 ロンドンメンズはここが変わった

「紙のインビテーションが半減」

 ロンドンのホテルに到着してまず焦ったのが、部屋に招待状がほとんど届いていなかったこと。何かの手違いかとあたふたしましたが、実はほとんどのブランドがメールでのインビテーション制に切り替えたからだったのです。招待状の束を持ち歩くストレスが軽減された反面、メールは転送できてしまうために入り口で画面のチェックが必要となり、混乱気味の会場もいくつか見られました。課題は多いものの、試みには賛成です。

「脱プラスチックでペットボトルゼロ」

 1年前までは公式会場内に山のように並べられていた協賛会社のペットボトルの飲料が、今回はゼロ。代わりに、水が入った「スウェル(S’WELL)」ステンレス製ボトルが来場者に配布されます。水はいつでも補充可能。かわいいデザインのおかげか、会場内や周辺でゴミにされている気配はほとんどありませんでした。さすが環境問題への意識が高いロンドンです。こういったショー以外の取り組みは、この先続くピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)やミラノ、パリも続くのでしょうか。いろいろな面に目や耳を傾けながら、この先も取材を続けます!