
米「WWD」が発行する「BEAUTY INC」は毎年、グローバル化粧品企業の公開情報を基に、トップ100社の売上高ランキングを発表している。「WWDJAPAN」2026年7月27日号付録「WWDBEAUTY」では、その最新版である25年のランキングと各企業の業績や注目ニュースをまとめた。ここでは上位10社を紹介する。(この記事は「WWDJAPAN」2026年7月27日号付録「WWDBEAUTY」からの抜粋です)
1位(→1位)
ロレアル(L'OREAL)
フランス
売上高 440億5000万ユーロ
(約7兆4444億円)
前期比 +1.3%
NEWS
ケリング ビューティ買収で
次の成長基盤を構築
スキンケア市場の低迷やアジアのトラベルリテール不振が続く中でも、既存事業ベースの売上高は前期比4%増と市場平均の約3.5%を上回り、下期では特に2025年10〜12月期(第4四半期)に成長が加速した。プレミアムヘアケアやクチュールフレグランスが業績をけん引し、ECの売上高は初めて全売上高の30%を突破した。ロレアル リュクス部門は北アジアで首位を獲得し、全地域でトップシェアを確立した。一方、インドでは期待を下回る業績を受け、新組織体制の整備を進めている。
M&Aも積極化した。韓国の「ドクタージー(DR.G)」や「カラー ワウ(COLOR WOW)」「メディケイト(MEDIK8)」を取り込み、Kビューティやヘアスタイリング、メディカルビューティ分野を強化。さらに10月には、約40億ユーロ(約6760億円)でケリング ビューティを買収するとともに、「グッチ(GUCCI)」のビューティ事業を50年間独占的に展開する権利を取得すると発表し、26年3月に取り引きを完了した。「クリード(CREED)」に加え、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」と「バレンシアガ(BALENCIAGA)」のフレグランス事業も傘下に収め、高級フレグランス市場での競争力を一段と高めた。12月には皮膚科学企業ガルデルマ(GALDERMA)への出資比率を10%から20%へ引き上げると発表し、美容医療市場への展開を強化。このほか、「ジャックムス(JACQUEMUS)」や美容クリニック「スキンスピリット(SKINSPIRIT)」への出資、中国ブランドへの追加投資も実施した。AIや研究開発投資も拡充し、フランスの香水工場に6000万ユーロ(約101億円)を投じて生産能力を倍増する計画を打ち出した。
事業別では、プロフェッショナル プロダクツ部門が最も高い成長を記録し、売上高は初めて50億ユーロ(約8450億円)を突破。「ケラスターゼ(KERASTASE)」や「ロレアル プロフェッショネル(L’OREAL PROFESSIONNEL)」などプレミアムヘアケアが好調だった。コンシューマー プロダクツ部門では、「ロレアル パリ(L’OREAL PARIS)」「ガルニエ(GARNIER)」「メイベリン ニューヨーク(MAYBELLINE NEW YORK)」「ニックス プロフェッショナル メイクアップ(NYX PROFESSIONAL MAKEUP)」が成長し、ヘアケアが全カテゴリーをけん引した。ロレアル リュクス部門はアジアのトラベルリテール不振を補い、欧州や新興市場、北米で市場を上回る伸びを記録。「イヴ・サンローラン(YVES SAINT LAURENT)」「ヴァレンティノ ビューティ(VALENTINO BEAUTY)」「プラダ ビューティ(PRADA BEAUTY)」のフレグランスや、「イソップ(AESOP)」「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」のコレクションフレグランスが好調だった。ダーマトロジカル ビューティ部門も10〜12月期に2ケタ成長を達成し、「ラ ロッシュ ポゼ(LA ROCHE-POSAY)」や「スキンシューティカルズ(SKIN CEUTICALS)」が業績を押し上げた。
ブランドリスト(子会社および主要ブランド)
コンシューマー プロダクツ部門:ロレアル パリ、ガルニエ、メイベリン ニューヨーク、ニックス プロフェッショナル メイクアップ、3CE、エッシー/ロレアル リュクス部門:ランコム、イヴ・サンローラン、アルマーニ ビューティ、キールズ、ヘレナ ルビンスタイン、ヴァレンティノ ビューティ、イソップ、プラダ ビューティ、ビオテルム、シュウ ウエムラ、ラルフ ローレン、メゾン マルジェラ、ヴィクター&ロルフ、タカミ、ミュウミュウ ビューティ、メディケイト/プロフェッショナル プロダクツ部門:ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、マトリックス、カラーワウ/ダーマトロジカル ビューティ部門:ラ ロッシュ ポゼ、セラヴィ、スキンシューティカルズ、ヴィシーなど

2位(→2位)
ユニリーバ(UNILEVER)
イギリス
売上高 239億ユーロ
(約4兆391億円)
前期比 -2.9%(推定)
NEWS
ビューティ事業を中心とした
ポートフォリオに転換
昨年3月、ハイン・シューマッハ(Hein Schumacher)前CEOの突然の解任を受け、ビューティ&ウェルビーイング部門トップや最高財務責任者(CFO)を歴任したフェルナンド・フェルナンデス(Fernando Fernandez)がCEOに就任。12月にアイスクリーム事業の分社化を完了するなど構造改革を加速させるとともに、今後はビューティ、ウェルビーイング、パーソナルケアを中核事業と位置づけ、中期的にこれら3分野が売上高の約3分の2を占める体制を目指す方針を示した。投資は米国とインドへ重点配分し、プレミアム市場やデジタルコマースへの注力も鮮明にした。
2025年のビューティ&ウェルビーイング部門は既存事業ベースで全社平均を上回る成長を達成。「ダヴ(DOVE)」と「ヴァセリン(VASELINE)」が2ケタ成長を記録し、科学的根拠を訴求したウェルネス・ビューティ商品の需要拡大を取り込んだ。一方、プレステージビューティ、コアスキンケア、ヘアケアは1ケタ台前半から半ばの伸びにとどまった。ヘアケアは価格改定効果が販売数量の減少で一部相殺されたものの、「ダヴ」の新ファイバーリペアシリーズが好調だった。一方で、小規模ブランドの整理や新興国市場の低迷により、「サンズシルク(SUNSILK)」や「クリア(CLEAR)」は苦戦。コアスキンケアは「ヴァセリン」が3年連続の2ケタ成長を達成し、プレステージでは「アワーグラス(HOURGLASS)」と「K18」が2ケタ成長を遂げた。「ダーマロジカ(DERMALOGICA)」と「ポーラズチョイス(PAULA'S CHOICE)」は年初に落ち込んだが、後半には成長へ転じた。ウエルネス商品や目的別トリートメントへの需要拡大が、従来型ビューティカテゴリーを上回る勢いで続いていることも追い風となった。
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