ケリング(KERING)は7日(現地時間)、「グッチ(GUCCI)」のビューティライセンスについて、コティ(COTY)との契約を2027年7月1日に終了すると発表した。同日付で、ロレアル(L'OREAL)による50年間の独占ライセンス契約を開始する。移管は当初、28年7月1日を予定していた。この決定についてアナリストの間では、ライセンス終了時期を巡る不透明感が解消された点を評価する一方、コティの収益への影響を懸念する見方もある。
一時金を財務改善に活用 終了時期の明確化を評価
今回の契約変更に伴い、コティはライセンス契約の前倒し終了に対する対価として約4億ドル(約648億円)を受け取る。支払いは26年に2億5000万ドル(約405億円)、27年に最大1億5000万ドル(約243億円)の2段階で実施される予定だ。
米投資会社ジェフリーズ(JEFFERIES)のシドニー・ワグナー(Sydney Wagner)=アナリストは、「『グッチ ビューティ』はコティの主要ライセンスの一つであり、ライセンスの喪失は長期的な痛手となる」と指摘。一方で、「前倒し終了に伴う一時金は、負債削減や主力ブランドへの投資に充てられる」として、「通常通り28年まで契約が続くよりも好ましい結果だ」と評価した。
課題は利益の穴埋め EBITDAへの影響を懸念
一方、英投資銀行バークレイズ(BARCLAYS)のローレン・リーバーマン(Lauren Lieberman)=アナリストは、契約終了時期が明確になったことは評価しつつも、「ロレアルへのライセンス移管後の利益減少を、コティがどのように補うかという課題は残る」と分析する。
バークレイズは、昨年10月時点と比べて28年度のコティの売上高予想を4%、調整後EBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)予想を32%それぞれ下方修正した。
リーバーマン=アナリストは、「『グッチ ビューティ』のEBITDA率を20%と仮定すると、ライセンス喪失によるコティの28年度の調整後EBITDAへの影響は約1億1500万ドル(約186億円)となり、全社利益の約15%に相当する可能性がある」と試算。来月発表予定の26年6月期決算で、コティがこの点について詳しい説明を行うとの見方を示した。
コティ株は発表後の時間外取引では大きく動かなかったものの、8日の通常取引では前日比4%安の2.14ドル(約346円)で取り引きを終えた。
なお、コティの26年度第3四半期売上高は前年同期比1%減の12億8000万ドル(約2073億円)だった。既存事業ベースの売上高は同7%減となり、中東情勢の悪化も影響した。
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