ワコールは7月1日、スポーツジムやヘルスケア施設向けの新3Dボディー計測サービス「スキャンビー ベース(SCANBE base)」をスタートした。このサービスは、トレーニングによる体の変化を360度の3Dデータで可視化し、部位ごとのサイズや体積の変化を数値で確認できるというものだ。近年、運動習慣への関心の高まりを背景に、個人の健康データを活用したパーソナライズドヘルスケア市場は2030年に約1兆円規模へ拡大すると予測されている。一方で、体重や体脂肪率、消費カロリーといった数値だけでは体の変化を実感しづらく、トレーニング継続のモチベーションにつながりにくいという課題もある。そこでワコールが着目したのが、“見た目”の変化だ。
5点中4.7点、モニターの半数が再計測を希望
「スキャンビー ベース」は、ワコール人間科学研究開発センターが長年蓄積してきた人体計測技術と、3D計測サービス「スキャンビー」のノウハウを活用して開発。全身360度の3D画像に加え、胸囲やウエスト、上腕、大腿部など21カ所の採寸データ、胴体や上腕、太もも、ふくらはぎなど8カ所の体積データを取得できる。計測はトレーニングウエアなど身体にフィットした服装のままで可能。3Dスキャンは約3秒、受付から結果確認まで約10分で完了する。データは蓄積され、スマートフォン上で過去のデータと3D画像やグラフを比較できるほか、スポーツウエアのサイズ提案も受けられる。利用には、LINEで友達追加およびワコールメンバーズに登録が必要。計測料金は1回2000円。
担当者は「どの部位がどれだけ変化したのかを、数値だけでなく見た目で確認できるのが特徴」と話す。同サービスのモニターの満足度は5点中 4.7。半数以上が1カ月以内に再計測したいと答えたという。「自分の体がどう見えるか客観的に見える」といった声や「体組成計で体の内部、『スキャンビー ベース』で外側を計測し、データを組み合わせて効果を確認したい」という声があった。体重が変わらなくても筋肉量の増加やシルエットの変化は起こる。特に、ボディービルダーのモニターは、体の変化が3Dデータではっきり表れ、トレーニングのモチベーションにつながっているという。
ヘルスケア領域のプラットフォーム拡大へ
ワコールは現在、女性向け3D計測サービス「スキャンビー」を全国26店舗で展開している。「スキャンビー ベース」はその知見をヘルスケア分野へ発展させる取り組みだ。サービス名の「ベース」には、“身体を知るための拠点”“計測の起点”という意味を込めた。「スキャンビー」が主に女性向けのインナー選びを目的としていたのに対し、「スキャンビー ベース」は男女共通で利用できるアルゴリズムを採用。主なターゲットには30代のトレーニング愛好者を想定する。担当者は「これまで女性向けサービスで培った計測技術をヘルスケア領域へ広げていく。蓄積したデータは、将来的に商品開発を始め、体格診断やバランス診断など、新たなサービス開発にも生かす予定だ」と話す。
まずは、ゴールドジム銀座東京店、東中野東京店、大阪中之島店の3店舗と、グラングリーン大阪内のヘルスケア施設「SLOW AND STEADY」でサービスをスタートし、今後はスポーツ量販店や競技団体、自治体、研究機関などへBtoB事業として展開していく。ワコールの計測技術やボディーデータを活用したヘルスケアプラットフォーム事業拡大の第一歩になりそうだ。