「メットガラ2026」が現地時間5月4日、ニューヨークのメトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)で開催された。今年のテーマは、コスチューム・インスティテュートの展覧会にちなんだ“コスチューム アート(Costume Art)”。ドレスコードは“Fashion Is Art”で、ファッションと芸術の関係性を表現する華やかな衣装が会場を彩った。
最大の見どころであるレッドカーペットには、共同議長を務めるビヨンセ(Beyonce)やニコール・キッドマン(Nicole Kidman)らをはじめとする豪華セレブリティーらが登場し、それぞれの解釈でテーマを体現した。ここでは、注目を集めたセレブたちのレッドカーペットルックを紹介する。
ビヨンセ
2016年以来初めてメットガラに登場し共同議長を務めたビヨンセは、オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)による特製ドレスを着用。透け感のあるヌードカラーをベースに、骨格を思わせるクリスタルの刺しゅうとブラックの装飾をボディーに沿って配した解剖学的なデザインだ。存在感のあるフェザーが背面に広がるトレーンに大胆にあしらわれ、後ろ姿にもドラマチックな動きを与えていた。ジュエリーは「ショパール(CHOPARD)」を着用した。
ニコール・キッドマン
共同議長であり「シャネル(CHANEL)」のアンバサダーを務めるニコール・キッドマンは、マチュー・ブレイジー(Matthieu Blazy)によるロングスリーブの赤いスパンコールドレスを着用した。ボディーラインに沿ってフィットする上半身に、床をかすめるように落ちるストレートスカートが続き、背面には控えめなトレーンが広がるデザインだ。ウエストにはボアのように密な赤い羽根飾りを大胆に配し、袖口にも同様の装飾を施した。
娘のサンデー・ローズ・キッドマン・アーバン(Sunday Rose Kidman Urban)もレッドカーペットに初登場。サンデー・ローズは、ピンクやラベンダーの色合いで構成された「ディオール(DIOR)」によるカスタムルックを着用した。立体的なフラワー装飾を全面に施した構造的なシルエットのトップに、シアーで軽やかな素材を用いた淡いピンクのフロア丈スカートを合わせ、柔らかさの中に芯のある強さを感じさせるルックに仕上げた。
アナ・ウィンター
アナ・ウィンター(Anna Wintour)は、「シャネル」のクールな色合いのガウンを選択。ターコイズブルーとブラックの刺しゅうをグラデーションのように施したドレスに、同じくターコイズブルーのフェザージャケットをレイヤードした。軽やかなアクアカラーのフェザーを全面にあしらったクロップド丈のジャケットは、袖口と裾によりダークなフェザーを配することで、きらめく刺しゅうドレスとのコントラストを際立たせた。
マドンナ
マドンナ(Madonna)は、アンソニー・ヴァカレロ(Anthony Vaccarello)が手掛けた「サンローラン(SAINT LAURENT)」のブラックガウンを着用し、ゴシックなムードを体現した。海賊船を模したブラックハットにコーンフラワーカラーのシフォンヴェールをあしらい、長く伸びるヴェールがレッドカーペットの階段を覆うように広がる存在感のあるスタイルだ。カラフルなレースのスリップと白いヴェールをまとった7人の女性たちが、そのトレーンを支えた。マドンナはフレンチホルンのような楽器を手にし、プラットフォームブーツ、オペラグローブ、ペンダントネックレスを合わせた。
このルックは、英国系メキシコ人のシュルレアリスム作家レオノーラ・キャリントン(Leonora Carrington)による1945年の絵画「聖アントニウスの誘惑」へのオマージュでもある。
ジェニー
「シャネル」のアンバサダーであるジェニー(Jennie)は、ブルーのメタリックスパンコールで描かれたリーフモチーフがドレス全体を彩る、ストラップレスで直線的なシルエットのロングドレスを着用した。ジュエリーには、同ブランドのハイジュエリー“レ ブレ ドゥ シャネル”イヤリングと、“ル パリ リュス ドゥ シャネル”リングを合わせた。ドレスの製作には540時間を要し、刺しゅうには1万5000個以上のパーツが使用されている。
ニンニン
aespaのニンニンは、プリーツ加工を施したシルクオーガンザのラッフルで構成された、「グッチ(GUCCI)」のカスタムメイドによる彫刻的なドレスを着用。ドレスの細部に配された、ラインストーンの刺しゅうがルックに輝きを添えた。
ケイティ・ペリー
ケイティ・ペリー(Katy Perry)は、「ステラ マッカートニー(STELLA McCARTNEY)」によるオフショルダーのホワイトガウンを着用。ロングの白いオペラグローブを合わせ、顔はホワイトメッシュで縁取られたシルバーのミラーマスクで完全に覆った彫刻的なルックを披露した。
ケンダル・ジェンナー
ケンダル・ジェンナー(Kendall Jenner)は、ザック・ポーゼン(Zac Posen)が手掛けた「ギャップ(GAP )」の新ライン「ギャップ スタジオ」のカスタムドレスを披露。着想源となったのは、ルーヴル美術館に所蔵されるギリシャ彫刻「サモトラケのニケ」だ。ドレスはフロアレングスのドレープガウンで、片側のショルダーストラップから体を包み込むようにアシンメトリーなギャザーとルーシュを施したデザイン。ヒップ部分で生地を引き寄せて結ぶことで、シルエットに動きと緊張感をもたらした。繊細なダイヤモンドのドロップピアスと細身のネックレス、ホワイトのリングを合わせ、ルックを完成させた。
カイリー・ジェンナー
カイリー・ジェンナー(Kylie Jenner)は、「スキャパレリ(SCHIAPARELLI)」によるデコンストラクトなルックを着用した。スウィートハートネックラインのストラップレスのヌードボディスーツが、素肌に溶け込むようなミニマルな印象を演出。ヒップからは、ペールピンクやゴールド、ホワイトの繊細なフローラルとボタニカル刺しゅうを全面に施したボリューム感のあるボールガウンスカートが広がり、ドラマティックなシルエットに仕上げた。
サブリナ・カーペンター
サブリナ・カーペンター(Sabrina Carpenter)は、1954年の映画「サブリナ」へのオマージュとして、「ディオール」のチュールスリットドレスを披露。ラインストーンをあしらった同作のフィルムストリップを身体に巻き付けるように仕立てたデザインが特徴だ。ジュエリーがちりばめられたヘッドピースを合わせ、刺しゅうを施したフリンジカフスとブラックのストレッチチュールグローブ、「ショパール」のジュエリーでルックを完成させた。
ミランダ・カー
ミランダ・カー(Miranda Kerr)は、「ディオール」のホワイトアンサンブルを着用。ラインストーンのフラワー刺しゅうを施したドレープオーガンザのバックレストップに、フラワーと小さなドットの刺しゅうをあしらったジョーゼットスカートを合わせたルックだ。
ハイディ・クルム
ハイディ・クルム(Heidi Klum)は、1847年にラファエロ・モンティが制作した彫刻“Veiled Vestal”に着想したアンサンブルを着用。グレーの素材をボディーに沿うように成形し、透け感のある布が揺れ動くように見える錯視効果を取り入れたインパクトのあるルックを披露した。顔にも繊細なディテールを施し、ヴェールをまとったかのような表情を演出。フローラルモチーフのヘッドピースを合わせ、さらにグレーのコンタクトレンズやペイントを施した手や顔、歯に至るまでを同色で統一し、全身でアート性を表現した。
リサ
リサ(Lisa)は、シアーなホワイトの「ロバート ウン(ROBERT WUN)」のカスタムルックを着用。アイボリーのシアーなガウンとヴェールには全面にクリスタル刺しゅうが施され、“花嫁が自らヴェールを持ち上げる”というコンセプトを表現した。6万6960個のホワイトのスワロフスキークリスタルを使用し、合計2860時間をかけて手作業で制作された。ジュエリーは「ブルガリ(BVLGARI)」を合わせ、“エクレッティカ”コレクションのサファイアネックレスに、ペアシェイプのサファイアを配したイヤリングを着用。さらに、3Dプリントのアームに“セルペンティ”のハイジュエリーネックレスやブレスレット、リング、ウォッチを重ね、ルックを完成させた。
エマ・チェンバレン
エマ・チェンバレン(Emma Chamberlain)は、まさに“アート作品”ともいえるルックで登場した。同ルックは、シカゴ出身のアーティストでデザイナーのアナ・デラー=イー(Anna Deller-Yee)が手掛けた、「ミュグレー(MUGLER)」のカスタムドレスにハンドペイントを施したもの。ドレスはすべて伝統的なファインアートの素材のみを用いて制作され、一般的なファッション用の絵の具は一切使用していない。約30色のベースカラーを独自に調合しながら約40時間かけてペイントされ、その後約4日間かけて乾燥させたという。ジュエリーは「ショパール」を身につけた。
以下、来場者のスナップを紹介する。