PROFILE: 生沼久/日本ホテル執行役員 「メズム東京、オートグラフ コレクション」総支配人

東京・竹芝の「メズム東京、オートグラフ コレクション(以下、メズム東京)」は、独自のブランディングで存在感を放つ日本発のラグジュアリーホテルだ。ホテル名“メズム”の語源は、“メズマライズ=魅了する”。2020年の開業以来、“TOKYO WAVES”をコンセプトに、クールな東京の感性を空間やサービスを通して届けている。そんな「メズム東京」のユニホームは、ヨウジヤマモト社の「ワイズ バングオン!(Y's BANG ON!)」によるものだ。ジェンダーレスの概念を反映したユニホームは、視覚的に“東京らしさ”を伝え「メズム東京」の人格を形成する一つになっている。(この記事は「WWDJAPAN」2026年4月20日号からの抜粋です)
顧客体験の質を左右するユニホームは
ブランドを体現するメディア
生沼久総支配人は、ブランディングについて、「ホテルの空気感や滞在時の高揚感、旅の思い出、全てを組み立てることが重要。ユニホームは、顧客体験の質を左右する“最初の接点”だ」と話す。ゲストが到着後、まず視覚的な情報として届くのがスタッフのユニホームだ。「メズム東京」のユニホームは通常のホテルの制服とは違い、モダンで洗練されたリラックス感漂うデザイン。「第一印象が、ブランドの世界観への没入の度合いを左右する。ユニホームは、宿泊体験への期待値を引き上げる存在だ」と言う。興味深いのは、「メズム東京」の運営そのものがブランディングに基づいている点だ。ブランド哲学を体験価値として届けるには、コンセプトから組織、運営まで一貫性を持たせる必要があった。「メズム東京」では、フロント、客室、レストランと部署別にサービスを提供するのではなく、“タレント”と呼ばれるスタッフが一人のゲストに寄り添い、一貫して滞在をサポートする。生沼総支配人は、「ホテルは“舞台”で、スタッフであるタレントはゲストの体験価値をつくりだす“表現者”。彼らが着用するユニホームは “ブランドの哲学を体現するメディア”だ」と言う。彼がユニホームにおいてこだわったのは、機能性や耐久性はもちろん、流行に左右されない普遍性と品格だった。「世界に通用する日本の美意識をどのようにユニホームで体現するか考えた。『メズム東京』が目指す“東京発のモダンラグジュアリーホテル”を表現するにはヨウジヤマモト社の力が必要だった」と話す。当初は既製品を発注する予定が、糸からディテールまでこだわり、約1年半かけてオリジナルのユニホームが完成した。
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