「カルヴェン(CARVEN)」のマーク・トーマス(Marc Thomas)=デザイン・ディレクターが、「他の機会を追求するため」として退任した。彼による最後のコレクションは、3月にパリで発表した2026-27年秋冬コレクションとなった。「カルヴェン」は「今後については追って発表する」として、27年春夏コレクションは今年後半に発表予定とした。また「彼のビジョンとデザインは、ブランドのアイデンティティとスタイルを確立した。今後の成功を心から願っている」という。
トーマス=デザイン・ディレクターは、セントラル・セント・マーチンズ校で学び、23年にカルヴェンに入社、サルトリアおよびクリエイティブ・コラボレーション部門の責任者を務めた。ルイーズ・トロッター(Louise Trotter)前クリエイティブ・ディレクターが「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」に移籍すると、デザインのトップに就任。それ以前は「ラコステ(LACOSTE)」「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」「ジョセフ(JOSEPH)」「ジバンシィ(GIVENCHY)」「ニール・バレット(NEIL BARRETT)などでデザイン関連の役職を歴任した。
「カルヴェン」は18年、上海企業のアイシクル・ファッション・グループ(ICICLE FASHION GROUP)が買収。同社の子会社アイシクル・パリ・モードは、本拠地の中国で「カルヴェン」の事業を展開しつつ、これを足掛かりにアイシクルとして中国国外へも進出する計画を立てた。アイシクルは同名のコンテンポラリー・ブランドを立ち上げ、パリでは「カルヴェン」の隣に旗艦店を構えたり、日本にも進出したりと事業拡大に積極的だったが、中国以外のビジネスは順風満帆ではないようだ。
「カルヴェン」の今回の動きは、ファッション業界におけるクリエイターの絶え間ない入れ替わりの最新事例に過ぎない。ここ数カ月の間にも、「エトロ(ETRO)」「ニナ リッチ(NINA RICCI)」「クレージュ(COURREGES)「アライア(ALAIA)」といったブランドで、長年活躍してきたデザイナーが次々と退任している。