ファッション
【特集】2026-27年秋冬東京コレクション

「リュウノスケオカザキ」“服”へ近づく変化 既成柄や素材に探る人間の感情

岡﨑龍之祐デザイナーによる「リュウノスケオカザキ(RYUNOSUKEOKAZAKI)」は20日、2026-27年秋冬シーズンの「楽天ファッション・ウィーク東京(Rakuten Fashion Week TOKYO)」で「005」コレクションを発表した。これまでファッションとアートの領域を横断する作品を見せてきたが、今季は“プレタポルテ”とも捉えうるルックが登場。約4年ぶりのショーで、ブランドに訪れた変化を明確に示す場となった。

ファーストルックは、シグネチャーであるプラスチックの芯材を使った立体的な造形にブランド初となる柄を掛け合わせた。その後も、フラワーやゼブラ、ストライプなど、これまで使用してきた布よりも“親近感”を抱かせる柄を使用したルックが続く。前シーズンの「004」から引き続き、“面”を意識したドレープ表現によるドレスが目を引く。シャツやジャケット、靴、バッグなどのアイテムが並び、これまでよりも着用の現実味を印象づけた。

広島出身というバックグラウンドから、「平和や自然への祈り」を通底のテーマとしてきたが、今季は「人間の感情」にさらにフォーカスした。画面越しに見る戦争、それを見て悲しくなる感情、どこか他人事のようにも感じてしまう感覚まで含めて、岡崎デザイナーは「感情というものがすごいリアルだ」と感じたという。そうした関心は、親近感を覚える既成柄やフェイクレザーと本革を組み合わせた靴にも表れた。花を模した花柄や皮を模したフェイクレザー。自然を模倣しながら人工物を作る人間の矛盾やちぐはぐさもまた、感情の一部として捉えた。より人間の営みや感情の動きを意識する中で、白いポロシャツや黒いシャツをベースに芯材で変形させたトップスなど、ブランド初となるセパレートのアイテムも生まれたという。

「プレタポルテを
作れているとは思っていない」

完成形を想像しないまま創作に向き合う姿勢はそのままに、新たな実験も取り入れた。「ヘイトがライク、ラブに変わるのか」と、本来であれば選ばない柄の生地を採用。自分の好みや予定調和を外すようなアプローチを試みた。「自分の好みなどを取っ払った時の偶然性。自分の想定していた形とは違う、予定していなかったアクシデントを入れるというのが“感情”としていいなと思った」。

会場では、ブランド初のプレタポルテへの接近ではないかという期待も漂った。しかし、岡崎デザイナー自身は「プレタポルテと呼べるものを作れたのかは分かっていない。正直、まだ作れているとは思っていない」と話す。「自分はまだ他のファッションデザイナーと比べて、“着る”ということに向き合いきれていない感覚がある」。では、岡崎デザイナーが考える“プレタポルテ”はどういうものか。ファッションとアートという枠組みにとらわれない彼のスタンスとは相反するが、ファッション業界にいるものとして、次のコレクションへの期待が募ってしまう。

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