ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)は、グループで長年幹部を務め、これまでは副マネージングディレクター兼最高商務責任者(CCO)だったジュゼッペ・マルソッチ(Giuseppe Marsocci)が最高経営責任者(CEO)として、亡きデザイナーのジョルジオ・アルマーニ氏の後継者として同社を率いることを発表した。
メンズデザインのヘッドも務めるレオ・デルオルコ(Leo Dell'Orco)アルマーニ財団取締役会長は、「マルソッチCEOの国際的な専門的経験、業界と会社に対する深い知識、慎重さ、忠誠心、そしてチームスピリット、そして近年のアルマーニ氏との親密さは、創業者が示した道筋を継承する上で最も自然な選択だ」と述べた。
マルソッチCEOのファッションおよびラグジュアリー分野での経験は35年以上に渡り、うち23年間はアルマーニに在籍。2019年からは、副マネージングディレクター兼COOを務めていた。「ヴァレンティノ(VALENTINO)」や「ディオール(DIOR)」「ストーンアイランド(STONE ISLAND)」、そしてアルマーニのライセンシーであるトリノのGFTグループで、営業やマーケティング、ブランドマネージメントに携わった。マルソッチCEOは、「財団、取締役会、そしてアルマーニ家の皆様の信頼に感謝する。世界で最も権威のあるメイド・イン・イタリーブランドの一つであるアルマーニの継続と発展にとって、極めて重要なプロジェクトだ」と意欲を語りつつ、「深刻な反省の時期にあるラグジュアリー市場において、変化する世界の価値観と期待を考慮しながら、一貫性と配慮をもって推進していく」と続けた。
9月4日に91歳で亡くなったアルマーニ氏は、遺言の中で、自身の名を冠した財団がファッショングループを運営することを託した。報道によると、遺言の開示から12カ月後、最長18カ月以内に、自身の名を冠した会社の株式15%をLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)かエシロール ルックスオティカ(ESSILOR LUXOTTICA)、またはロレアル(L’OREAL)のいずれかに売却する可能性がある。さらに財団と相続人は3〜5年目の間に、最初の株式の購入者と同じ買い手に30〜54.9%の株式を売却するか、5〜8年目の間にイタリアでの上場を優先しつつ、同等の地位にある他の市場への上場も検討するかを選択できるとしている。上場後も財団はグループの支配権を確保するため、30.1%の株式を保有する。またアルマーニの長年のパートナーであり、メンズ部門を率いるレオ取締役会長は議決権株式の40%を保有し、重要な役割を担っている。