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香水が10代の“新ステータスシンボル”、そのワケは?

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フレグランスに精通した10代が、“香り”のカテゴリーで新たなトレンドを形成している。香りは、同世代間における自己表現とコミュニティー形成の手段として機能している。18歳のジェイディン・レーン(Jadyn Laine)は、 5月に投稿した6分間のTikTok動画で自身の「ソル デ ジャネイロ(SOL DE JANEIRO)」の香水コレクションを次々とレビューしている。彼女の動画は、TikTokに次々と投稿されるフレグランスのレビュー動画の中でも人気コンテンツの一つだ。(この記事は「WWDJAPAN」2025年7月14日号からの抜粋です)

 いまや、TikTok上には「ソル デ ジャネイロ」だけではなく「カヤリ(KAYALI)」や「フルー(PHLUR)」、「クリード(CREED)」「パルファム ドゥ マルリー(PARFUMS DE MARLY)」「ジャンポール・ゴルチエ(JEAN PAUL GAULTIER)」まで幅広いフレグランス関連動画があふれている。「10代は香水に対して、人々がスニーカーに抱くのと同じような感情を持っている」と、フレデリック・アペール(Frederic Appaire)=ジャンポール・ゴルチエ香水部門バイスプレジデントは話す。「彼らは高い金額を支払い、待つことも厭わない。こうして手に入れた香水は、寝室の棚に自慢のハイエンドスニーカーを飾るのと同じように、トロフィーのように並べている。若者にとって香水は、アイデンティティーやスタイル、そしてコミュニティーへの所属感を表現する手段なのだ」。「ジャンポール・ゴルチエ」では、特に“ル マル”のコロンシリーズで若い顧客が急増し、ブランドをさらなる高みに押し上げた。現代の10代は探究心が強い上に情報通だ。「彼らは香りのピラミッドから成分まで理解している。真に創造的な提案があるかどうかを素早く見極める世代だ」という。

TikTokユーザーを中心に
探究心旺盛な若年層の影響力拡大

 10代の消費者が美容業界に与える影響は指数関数的に増加している。いわゆる“セフォラ・キッズ(SNSの影響で高級化粧品に興味を持ち専門店『セフォラ(SEPHORA)』で買い物をする子どもたち)”は、一過性のトレンドから無視できない存在になっている。ボストン・コンサルティング・グループ(BOSTON CONSULTING GROUP以下、BCG)によると、米国における美容支出の約10%を10代が占め、支出額でスキンケアとフレグランスがトップカテゴリーを争い、次いでメイクアップが続く。10代の美容支出額は前年比23%増加しており、市場全体の9%の成長を大幅に上回る。そしてこの勢いの主な要因は、10代の香水への関心の高まりにある。BCGの報告によると、10代の75%が13歳までに何らかのフレグランス製品を使用しており、その中にはプレステージ製品も含まれる。特に男性は高級製品を志向する傾向が強く、10代男性の60%が、10代女性では25%が高級フレグランスを選択している。

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