パナソニックのビューティケアブランド「パナソニック ビューティ(PANASONIC BEAUTY)」は、インナーケアサービスに参入する。第1弾として腹部の温度と睡眠を計測・分析する体調ナビゲーションサービス“リズモ(RIZMO)”をスタート。サブスクリプション形式(初期契約料5500円、月額利用料500円)を採用し、7月7日に777人限定で先行サービスを開始、10月10日に本格展開する。同サービスは3年後に20万人の登録者を目指す。
「パナソニック ビューティ」はヘアケア、フェイスケア、ボディーケアの3領域で美容機器を展開する。近年は髪の悩みやヘアケアに関する情報を共有できる公式オンラインコミュニティ「ヘアサプ」や美容機器の使用方法をサポートするアプリ「ウィズ パナソニック ビューティ」、保証期間の2年間延長サービスなど、製品購入後も顧客とつながり続けるユーザーインのサポートを強化してきた。その中で、「消費者の意識は、科学的・医学的な裏付けのある製品や、長期的な健康目標に合致するブランド、没入感があり楽しく共有できる美容体験を求める方向へと変化している。さらに、PMSや不妊治療、更年期など女性特有の健康課題による経済的インパクトが3兆4000億円に上るとされていることを受け、こうした消費者の志向を踏まえて、女性の不調を根本からサポートするサービス「リズモ(RIZMO)」を開発した」と北岡慶子パナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部ビジネスデザイン部部長は語る。
“リズモ”は女性の不調に影響を与えるバイタルデータを計測し、そのデータを基に分析・予測・アドバイスとトータルに体調をサポートする。「ストレスフリー設計にこだわり、ウエアラブルデバイスのリズムモニターを眠る前にショーツなどのウエスト部分に装着すると、寝ている間に自動で腹部(衣服内温度)の低温期・高温期の温度変化や睡眠の量・質・リズムを計測できる」(井上貴美子パナソニック ビューティ・パーソナルケア事業部ビューティブランドマネイジメント部ビューティ国内マーケティング課主幹)。腹部の温度は、女性特有の体の変化のリズムを察知するのに有効とされており、リズムモニターに内蔵されたセンサーで睡眠の量・質・リズムも計測できる。計測したデータはボタン1つでスマートフォンに転送可能だ。計測データの確認や独自のデータ分析アルゴリズムにより、その日や先々の体調予測、自身に合った体調サポートアドバイスなどを提供する。今後は、継続的なアルゴリズムのアップデートや、企業・自治体を通じたサービスの提供も視野に入れる。
「当社は美容家電事業に取り組み始めて88年になる。既存の美容機器はアウターケアとしてトラブルを抱える箇所にダイレクトにアプローチしてきた。インナーケアサービスでは生活習慣にアプローチするなど体の土台を整えていく。今後はインナーケアのアイテム拡大のほか、科学的根拠に基づいたトータルビューティの提案を推進する」(北岡部長)。