ファッション
連載 編集長のパリコレ真剣レビュー

「シャネル」はツイードの連打、「ルイ・ヴィトン」はディテールの巨大化でアイコンの可能性を拡充 編集長のパリコレ真剣リポートVol.8

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 2つのCマーク、ツイード、カメリア、バッグのチェーン、そして、そのバッグに描かれる“マトラッセ“と呼ばれる格子柄ーー。今は亡きカール・ラガーフェルド(Karl Lagerfeld)は、「シャネル(CHANEL)」のデザインコードを発掘し直し、長い時間をかけて繰り返し用い続けることでアイコンに昇華し、このブランドをアイコンに満ち溢れた不動の存在に押し上げ、だからこそ「シャネル」は普遍的な魅力を携えるようになった。そして大役を3年前に引き継いだヴィルジニー・ヴィヤール(Virginia Viard)は、カール路線を継続。こうしたアイコンにフォーカスし続け、ますますフレッシュに再解釈し続け、メゾンを未来に継承しようとしている。2023年春夏コレクションは、アイコンの中でも最もアイコニックなツイードの可能性をさらに押し広げた。

 ヴィルジニーは今シーズン、フランスで1964年に公開された映画「去年マリエンバートで」にインスピレーションを得たという。50年代にフランスで始まった映画運動、ヌーヴェル ヴァーグ(フランス語で「新しい波」を意味する)の代表作でありつつ、当時は「映画史上最も難解な作品の1つ」と評されつつも、後世の映画作家に多大な影響を与えた作品だ。「新しい波」などと称され、時には厳しい評価を受け、とはいえ、やはり後世には多大な影響を与えたなど、映画「去年マリエンバートで」には、「シャネル」というブランドのとの共通点も多い。その映画にオマージュを捧げたショーは、ブランドアンバサダーの女優クリステン・スチュワート(Kristen Stewart)を撮影した写真のコラージュをのせたスエットのようなトップスと、チュールのマントルックで幕を開けた。チュールのマントはカメリアのブローチで留めて、ランジェリーのようなシルクサテンのミニパンツを合わせて太ももを露わにする。アイコンのフレッシュな再解釈という、ヴィルジニーの意気込みに溢れたファーストルックだ。

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