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ダウンアウターはフェミニンに着る “アンチカジュアル”が新しい

 真冬に欠かせないのが、軽くて暖かいダウンや中綿入りのアウターです。近頃はボリュームたっぷりのパフィタイプや、カラフルな色・柄など、デザインも豊富に。従来の防寒・カジュアルイメージを裏切る新顔が登場。コーディネートの選択肢も広がってきました。

 こちらの写真の2人は、2月にミラノで開催された、「モンクレール ジーニアス(MONCLER GENIUS)」のプレゼンテーション会場に現れた、オリヴィア・パレルモ(Olivia Palermo)とヨハネス・ヒューブル(Johannes Huebl)夫妻。オリヴィアのように、たおやかなスカートで合わせるのが、トレンドを映すアレンジ。今回は、ダウンアウターをフェミニンにまとうコーデ技をお伝えします。

派手めのスカートで“カオス系”のミックスコーデに

 ダウンジャケットはカジュアルな表情を帯びている分、派手めのボトムスで合わせても、全体のバランスを整えやすいのがうれしいところ。重たく見えがちな冬コーデでも、差の付く着方に仕上げられます。ミリタリー系のメンズライクなダウンアウターに合わせたのは、パープルのチェック柄スカート。赤白バイカラーのインパクト強めソックスと、ヒールが面白い白シューズで、華やかな足元に。寒い冬をカラフルに乗り切るコーデです。

 写真2枚目は、真っ赤なダウンジャケットが主役。パフがしっかり効いていて、ファニーな着映え。ボトムスに迎えたパッチワークスカートは、この上なくプレイフル。レオパード柄×フラワー柄のモチーフミックスがハッピー感を呼び込んでいます。さらに、スウエットパーカでスポーティ感も上乗せ。「フェンディ(FENDI)」のロングブーツで合わせて、おしゃれ度をアップ。“カオス(混沌)系”ミックスコーデのお手本です。

きれいめセットアップに重ねて、“足し算”のコーデに

 人気の続くセットアップは、オン・オフ兼用で使えるだけに、着回しパターンの開拓が欠かせません。上下がそろっているから、ムードをずらす“プラス1”の単品投入がバリエーションを広げます。冬はパフィアウターで合わせれば、着こなしの鮮度がアップ。ブラウスとスカートの共通柄セットアップに、メタリックな量感アウターをオン。パープルメタリックのグリッターが、セットアップの統一感を適度に揺さぶりました。襟、バッグ、ロングブーツのグリーン系合わせも、着姿をナチュラルに彩っています。

 上下をニットで構成するニットアップはやわらかい見え具合と着心地が支持を広げています。お仕事コーデに生かすなら、テーラードジャケットを羽織って、きちんと感をプラス。デイリーに着こなしたければ、写真2枚目のように、パフィジャケットを重ねて。ニット特有のほっこりムードを宿しているので、アウターを使って、主張を強めたり、モード感を出したりといった“足し算”のスタイリングが楽しめそうです。

ワンピース感覚のくるまれコーデで、着やせ効果を発揮

 ふんわりしたシルエットのダウンアウターを主役に据えれば、ワンピースライクに着こなせます。ボリュームを逆手に取って、冬にうれしい着やせ効果も期待できそう。着方のポイントは、内側に着込んだ服を、完全にアウターで覆い隠してしまうこと。アウターの印象が引き立ちます。黒一色のつやめいたダウンコートは、前を閉じてもこもこフォルムを強調。コートの裾下から素足がのぞいて、伸びやかな見え具合に。ミニバッグがボリュームコントラストを際立たせています。

 防寒重視の冬ルックは見た目がかさばりがちですが、直線的な柄入りを選べば、ふんわりしたダウンアウターにも細感を寄り添わせてくれます。たとえばチェック柄。コンパクトな着映えを印象づけられます。写真2枚目のように、前を開けて、ミニボトムスとの“丈違いレイヤード”を見せ付けるのがコーデのポイント。シンプルな黒のミニボトムスが量感の格差を強調しています。ハイソックスと白スニーカーが若々しいレッグラインを描き出しました。

 ダウンやパフィウエアは進化がめざましいアイテムです。これまでは防寒ツールのイメージが強かったのですが、デザイン性の高いアウターが増えて、冬ルックでの存在感もアップ。ファーに代わるポジションを獲得しつつあるようです。一方で、薄く軽いタイプは、インナー使いもしやすくなってきて、ロングシーズン着られる通年アイテムに発展。出番が増えたから、スタイリング技も磨きがいがあります。従来のカジュアルイメージを覆すフェミニン服や華やかアイテム、きれいめウエアなどと組み合わせて、“アンチカジュアル”コーデでアレンジの幅を広げてみては。

ファッションジャーナリスト・ファッションディレクター 宮田理江:多彩なメディアでコレクショントレンド情報、着こなし解説、映画×ファッションまで幅広く発信。バイヤー、プレスなど業界での豊富な経験を生かし、自らのTV通版ブランドもプロデュース。TVやセミナー・イベント出演も多い