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韓国と日本のメイクのいいとこ取り“ハニルメイク”が「ブレイク必至」といわれる理由

 石川ユウキ・ヘア&メイクアップアーティストは11月、メイク本「HANIL MAKE-UP BOOK〜ハニルメイクって知ってる?」(メタ・ブレーン)を刊行した。“ハニル”とは“日本と韓国”の意味で、“ハニルメイク”は韓国メイクを日本人向けにアレンジしたメイクのこと。つまり、日本と韓国の“かわいい”の要素をいいとこ取りしたメイクともいえ、今若者の間でバズり始めている。その考案者として話題の石川ヘア&メイクアップアーティストに、“ハニルメイク”の真価と可能性を聞いた。

WWD:韓国メイクに興味を持つようになったきっかけは?

石川ヘア&メイクアップアーティスト(以下、石川):以前の私がコンセプトにしていたメイクは、自分に自信のない女の子の“鼻をできるだけ高く見せたい”とか“彫りを深くしたい”といった願いをかなえて、勇気や自信をつけてあげるメイクでした。いわば“魔法をかけるメイク”とか“すっぴん風だけど詐欺れるメイク”ですね。あるときタレントの方から「石川さんのメイクって本当に鼻が高く見えるし、タレ目でかわいくなるから、韓国っぽい顔になる」と言われたんです。それで、当時人気が出始めていた韓国アイドルグループのメンバーのメイクをよく見たところ、「僕のやっているメイクに似ている!」と思ったんです。たまたま自宅から新大久保が近かったこともあり、そのときから韓国メイクを勉強し始めて、はまっていきました。そのときまで韓国は全く意識していなかったので、まさにそのタレントの方の一言がきっかけですね。

WWD:今SNSで話題の“ハニルメイク”が生まれたきっかけは?

石川:3~4年前に新大久保で、真っ白でお面みたいな肌を作った女の子が、赤リップをして極太眉で歩いているのを見たことがきっかけですね。おそらく韓国アーティストのメイクをそのままマネしたものなんですが、それを見て「違和感はあるけど、なんかかわいいし楽しそう」って思ったんです。そのときに「韓国メイクをもっと日本人向けにアレンジできないかな」と考え始めたことがきっかけでした。

WWD:“ハニルメイク”って具体的にどんなメイク?

石川:日本と韓国の“かわいい”の要素をいいとこ取りしたメイクです。“ハニルメイク”の“メイク”にはもちろんメイクアップの意味もあるけど、“メイキング”の意味もあって、ヘアとメイクとファッションの全てが合わさって韓国風になるんです。メイクだけでいうと、太眉にしたり、鼻を高く見せたりすることが特徴的ですね。一般的に、韓国の女の子はおでこが丸くて、鼻がスッと通っていて顎がシャープなのが好きなんです。あと陶器のような白い肌とかきりっとした目元、カラコンとかも好きですね。

WWD:“ハニルメイク”を象徴するヘアは?

石川:基本的に艶髪で、エクステスタイルも象徴的ですね。韓国の女の子はボリュームを出してふわっとさせることが好きで、“盛ってなんぼ”という意識が強いんです。もともと毛量のある人が多いのに、さらにボリュームを出すために根元パーマとかも一般的です。根元を上げるだけでヘアのバランスが一気に良くなるので、「日本でももっと需要があっていいのに」って思います。

WWD:いろいろとポイントがあるんですね。ちなみに“韓国メイクを日本人向けにアレンジする”イメージを簡単に言うと?

石川:すごくざっくり言うと“濃い塗り絵を薄くして1カ所だけ濃くする”感じです(笑)。骨格が異なるので、韓国のメイクを日本人がそのままやると、舞台メイクみたいになってしまうケースが少なくないです。濃度を薄くして、薄いだけだとぼやけてしまうので、どこか足すことがポイントですね。ただ“ハニルメイク”の真髄は、“韓国っぽいか日本ぽいか”といった定義にこだわらず、“なんか韓国っぽくてかわいい”を楽しむことなんです。楽しむポイントをまとめたのが、先日刊行した著書「HANIL MAKE-UP BOOK〜ハニルメイクって知ってる?」になります。

WWD:とてもシンプルで分かりやすい本ですね。

石川:“小学校のドリル”くらいシンプルにしたかったんです。“難しく考え過ぎないでほしい”というのが僕のメイクのコンセプトの中にあって、それを好きなように表現させてもらいました。女の子ってわりと堅い考えの子も多くて、“モデルがかわいいから(自分とは違う)”“道具がないから”“解説がいっぱい書いてあって分からないから”といった理由で、新しいメイクにチャレンジしない人が多い。だからもっと視覚的に“かわいい”と思ってもらって、簡単で分かりやすいテキストが添えてあることで“やってみようかな”って気持ちになってもらえる本を作りたいと考えました。そういったコンセプトから、本の中ではできる限り“デパコス”よりも“プチプラ”を使うようにしました。

WWD:今後の展開は?

石川:今の“ハニルメイク”は若年層向けなのですが、今後は30~40代向けの“ハニルメイク”も面白いと思います。僕は30代向けのメイクはあまり得意ではないと思っていたのですが、最近その年代の方からのオファーが増えたんです。「何で僕のメイクなんですか?」と聞くと、「ケバくならずに顔がはっきりして彫りができるから」という答えが返ってきました。よく考えてみると、それは“ハニルメイク”のコンセプトの一つで、“ハニルメイク”は若さを追求したメイクでもあるんです。ですので“韓国メイクのパーツで学ぶ大人のハニルメイク”といったテーマを“ハニルメイク”の第二幕にしたいですね。