ファッション

憧れの「ダブレット」デザイナーに22歳新卒記者が一問一答 40の素朴な疑問をぶつけました

 「ダブレット(DOUBLET)」が一躍有名になったのは2018年6月のこと。LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が若手を支援するために創設した「LVMHヤング ファッション デザイナー プライズ(以下、LVMHプライズ)」のグランプリに、同ブランドの井野将之デザイナーが選ばれたことがきっかけだ。この歓喜の瞬間をインスタグラムの生中継で見ていたファッション好きの大学生が、今年4月から「WWDジャパン」の新入社員になった。その新卒記者が「好きなデザイナーのことをいろいろ知りたい」という溢れる思いで、「LVMHプライズ」受賞後の変化からプライベートまで、40歳を目前に控えた井野デザイナーにちなんで40の素朴な質問をぶつけた。

新卒記者O(以下、新卒O):よろしくお願いします。

井野将之(以下、井野):何でも聞いてください。

新卒O:初めて自分で買ったデザイナーの洋服は?

井野:「マサキマツシマ(MASAKI MATSUSHIMA)」の前身頃が超ロングで縛ることができる白シャツです。

新卒O:好きな食べ物は?

井野:これ読者に需要あります(笑)?老舗喫茶店で出てくるナポリタンです。

新卒O:よく行く店は?

井野:東京・用賀のもつ焼き屋、芝浦です。

新卒O:一番好きなデザイナーは?

井野:国内なら三原康裕さん。海外ならマルタン・マルジェラ(Martin Margiela)とジェレミー・スコット(Jeremy Scott)。

新卒O:一番好きなドラマは?

井野:野島伸司の「未成年」と、最近はテレビ東京の「サ道」にハマっています。

新卒O:一番好きな男性俳優は?

井野:国内ならいしだ壱成、海外ならエドワート・ノートン(Edward Norton)。

新卒O:一番好きな女性芸能人は?

井野:持田香織。

新卒O:「LVMHプライズ」のグランプリ受賞時、エマ・ストーン(Emma Stone)の横に並んだ感想は?

井野:テンパりすぎて、彼女がVゾーンの深いジャケットを着ていたことぐらいしか覚えていません。

新卒O:一番好きな映画監督は?

井野:デビッド・フィンチャー(David Fincher)。

新卒O:一番好きな漫画は?

井野:「ジョジョの奇妙な冒険」……これ、本当に大丈夫ですか(笑)?

新卒O:大丈夫です。群馬ではどういう学生でした?

井野:高校は進学校でしたが、特に部活や勉強に打ち込んでいたわけではなく、ボウリング場「ジャンボ」でおでんを食べて時間を持て余していました。

新卒O:あだ名は?

井野:イノマーで、V6が出てからはイノッチ。

新卒O:ボウリング場「ジャンボ」でもお笑い担当でした?

井野:グループにはもっと面白い子がいたから、大笑いは持っていかれました。

新卒O:自分をお笑い芸人に例えると?

井野:松本人志さんになりたい。

新卒O:一番遊んだゲームは?

井野:アーケードの「ジョジョの奇妙な冒険」で、呪いのデーボを使っていました。

新卒O:奥様から仕事のアドバイスを受けることはありますか?

井野:あります。自然と会話が仕事の話題になるし、デザインで煮詰まってしまうときとかにアドバイスを受けます。

新卒O:では、奥様の一番好きなところは?

井野:ここだけはツッコんできますね(笑)。人に対する距離感の近さや場を和ませてくれる明るさです。

新卒O:2019-20年秋冬で一番好きなアイテムは?

井野:コート……の中に仕込んでいる別売り9000円の巨大な肩パッド。

新卒O:デザインのオマージュが得意ですが、これまでにトラブルは?

井野:ええ……あります。けど、全て解決済み!

新卒O:生まれ変わってもデザイナーをやりたい?

井野:やりたいです。モノやコトを作る人ではありたい。

新卒O:今までで一番苦労した仕事は?

井野:最近だと3泊5日のNYとLA格安ツアーのフライトです。まだまだ苦労が足りません。

新卒O:「ダブレット」を立ち上げてから一番うれしかったことは?

井野:やっぱり「LVMHプライズ」のグランプリ受賞です。周りの人たちも喜んでくれたことが一番うれしかったです。

新卒O:受賞から1年で変わったことは?

井野:周りの見方が変わり、海外でも国内でも知名度が飛躍的に上がりました。

新卒O:ご両親にはどのように伝えましたか?

井野:帰国してから伝えました。父が喜んでくれて、親戚以外の人たちにもたくさん電話したらしく、地元の群馬中に広がっていきました。ローカルの「上毛新聞」にまで掲載されて、父のテンションはさらに上がっていました(笑)。

新卒O:地元の新聞にまで掲載されると、帰省したときの反応も違ったのでは?

井野:同級生たちが、「すげー賞とったらしいじゃん、なんの賞か分かんないけど」と喜んでくれたのはうれしかったです(笑)。

新卒O:お祝いのパーティーにはどんな店を選びましたか?

井野:いつも通り、用賀の「ふるさと居酒屋 村さ来」です。

新卒O:賞金は何に使いましたか?

井野:次のステージへステップアップするための費用に使いました。良いプレゼンテーションができる環境になり、ブランドとして一段階上にステップアップできたと実感しています。

新卒O:LVMHのエキスパートからの指導で一番役立っていることは?

井野:やりたいことに対してのアドバイスや、人を紹介してくれたことです。

新卒O:LVMHエキスパートからのサポートは1年のはずだが、もう終了した?

井野:いいえ、今でも相談に乗ってもらっています。パリでも直接相談しています。

新卒O:次シーズンに向けての相談もしている?

井野:はい。9月に開催される2019年「LVMHプライズ」で、ファイナリスト「アンリアレイジ」森永邦彦さんの応援でパリに行くので、そのときに直接相談する予定です。

新卒O:注目されて、これまで関わりがなかった人も多数集まってきたと思うが、ストレスは?

井野:特にストレスはなかったです。自分のキャパシティーが狭くて応えきれず逆に申し訳なかった。

新卒O:最近はユニークなムービーでコレクション紹介しているのをよく見かけるが?

井野:ファッションをファッションっぽく見せるのも当然かっこいいんですけど、ファッションに日常感や懐かしさを加えるとまた別の見え方になって面白いからです。

新卒O:他のブランドからデザイナーのオファーはありましたか?

井野:んん……ないです(笑)。

新卒O:メゾン系ブランドからデザイナーのオファーがあったらどうしますか?

井野:もしオファーがあればありがたいですが、まずは第一に「ダブレット」が30~40年続くブランドにならないといけないので、状況次第です。

新卒O:国内外の取扱店によく足を運んでいる理由は?

井野:店に行けばみんなが喜んでくれるし、自分自身も輪の中に交ざりたいからです。僕らは店が注文してくれて納品してからがスタートです。こちら側から出来ることはたくさんあるし、それをしないとお客さままで届かないので役に立つなら僕のことを使ってもらいたいです。特に、今の時代に大事だと思うのが、インスタントな販売ができる中でもお店で直接買って欲しいなということです。

新卒O:デザインが模倣されることについて思うことは?

井野:模倣されて自分のデザインを超えてきたら悔しいですけど、今は何とも思っていません。海外の人たちからも「似ているアイテムがあったよ」と知らせてくれることもあり、世界的に知名度が上がっていると実感しています。でも、ただのコピー品は大嫌いです。

新卒O:転売についてはどう思う?

井野:知名度があるのはうれしいことですけど、本当に欲しい人が定価で買えないのは申し訳ないです。届くように作りすぎると飽和してしまうし、難しいですね。

新卒O:次のファッションショーはいつやる予定?

井野:2020-21年秋冬シーズンをパリでやる予定です。

新卒O:ブランドの次の目標は?

井野:来年1月のパリでショーをやり切ることです。何よりも周りの人に楽しんでほしい。

新卒O:井野さんにとってファッションとは?

井野:コミュニケーションツールです。

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