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ママの働き方改革をリードするドレスショップが実践する充実のサポートとは?

 福岡で120年以上の歴史を持つウエディングドレスショップのドレスザライフ(DRESS THE LIFEは、九州を中心に全国に50店舗、海外はバリに1店舗を運営している。昨年、ブライダルドレス業界で初の「えるぼし」認定(厚生労働大臣が女性活躍推進法に基づき贈る認定制度)の最高位を取得した。雑誌「フォーブス ジャパン」(アトミックスメディア刊)が主催する女性アワードでも昨年、グランプリを獲得。女性が多い企業ならではの手厚い福利厚生が注目を集めている。ここでは、緒方絵美 ヒューマンリソース マネージャーに、ワーキングマザーを応援する施策やその成果について聞いた。

女性がキャリアを諦めないための福利厚生を重視

WWD:現在の社員構成や規模は?

緒方絵美Dress the Lifeヒューマンリソース マネージャー(以下、緒方):正社員は288人、パートスタッフは244人います。契約社員は若干名しかおりません。正社員の平均年齢は30歳。社員の9割が女性です。

WWD:ブライダルドレスショップならではの男女構成比だ。

緒方:うち、店頭で接客に携わる社員が全体の85%にものぼります。非日常的なウエディングの世界では、接客力に特に高い付加価値が求められるため、ドレスレンタル事業においてはフィッティングでさえもコーディネーターが必要なんです。つまり労働集約型ビジネスなので、人材の確保が非常に重要です。昨今は社員や求職者の意識も変わっており、仕事に対する価値観が多様になってきました。その多様性に合わせて会社も変化していかないと、優秀な人材の確保が難しくなっています。

WWD:どのようなスタンスで多様な働き方をサポートしている?

緒方:具体的には、手厚い福利厚生でサポートし、仕事の負荷を減らすのではなく、働き方に制限があってもキャリアを諦めないための支援に力を入れています。そもそも私たちは結婚という大きなライフイベントに関わる商品を提供しています。そのライフイベントを通して起こる変化に柔軟に対応し、様々な価値観を認め、多様な働き方を推進し、全員が生き生きと活躍している組織を作ることが使命だと考えています。優秀で経験のある人材に活躍してもらうため、結婚出産後の働き方の選択肢を増やしています。

休日のシッター代や病児保育代も会社がサポート

WWD:具体的にどんな福利厚生を導入している?

緒方:まず、働く曜日を制限する曜日限定正社員や、週4日勤務の短日正社員、1日6時間まで短縮して働く短時間正社員といった限定正社員制度があります。他には、保育園の確保が難しい休日や祝日の保育代を会社がサポートするベビーシッター補助や、子どもの急な発熱による病児保育代を会社が負担。妊娠中、体調がすぐれない時のタクシー出社を認めています。仕事の負担は減るけれど出世コースからも外れる、ということがないよう、真に女性が活躍する組織を目指したサポート体制を整えていま
す。

WWD:緒方さんはどんな働き方を?

緒方:私自身もワーキングマザーです。子どもが小さい時は子連れ出社や子連れ出張も取り入れ、小学生になった今は学校行事や役員活動にも積極的に関わっています。結果を出せば、時間の使い方や仕事をする場所は自由なので、会社出社とリモートワークの両方を取り入れながら、柔軟な働き方を実現できています。チャットで常にコミュニケーションを取れますし、会議や面接もインターネット環境さえ整っていればウェブ上で参加できるので、特に支障は感じていないです。

WWD:キャリアや目標を共有する場は設けている?

緒方:社員は半期ごとに、MBO方式(目標管理制度)で目標設定シートを作成します。その目標設定時に期待する役割を明確にし、組織と個人それぞれのベクトルをすり合わせながら、実現したいキャリアに可能な限り近づけるようにしています。キャリアビジョンだけでなく、パーソナルな目標も一緒に話せる機会ですね。また、任意参加型のライフワーク研修を今期からスタートしました。結婚・出産を経たママ社員たちがどんな働き方をしているのか、出産を控えている社員や今後のライフプランに悩む社員に対して体験談を交えながら事例を紹介し、社内サポート制度の説明を行います。

育休取得率&復職率100%!入社希望者は7倍に

WWD:導入によってどのような成果があった?

緒方:5~6年前までは結婚・出産を機にほとんどの社員が選択していましたが、現在は育休取得率も復帰率も100%になり、ママ社員の数は50人を超えました。また、「フォーブス ジャパン ウィメン アワード2018」で企業部門総合ランキング1位(従業員300人以上1000人未満の部)や働き方改革賞グランプリを受賞したり、国から「えるぼし」認定をいただけたりと、女性が活躍する会社としてブランディングが築かれてきたと実感しています。公園や勉強会などのお声がかかることもありますし、採用面にも大きな効果が表れて、2018年度の自社採用サイトへの応募希望者が前年度に比べ7倍も増えました。

WWD:今後の緒方さんの目標は?

緒方:今の働き方を、さらにもっと自由に柔軟に進化させたいですね。娘の留学などについて行き、旅をしながらリモートワークするのがこれからの目標です。また、今月にはママ社員のショップマネージャーが誕生します。未就学児の子どもがいるため、働く曜日や時間に制限がありますが、そんなメンバーに店舗責任者を任せるのは会社としても大きな挑戦です。彼女が店舗にいない時間にどのようにスタッフをマネジメントするのかのシミュレーションや、緊急時の子どもの預け先確保のためのベビーシッターとの契約などの体制づくりを進めています。