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バロックが新中計 海外事業強化で「5年後に売上高1000億」へ再出発

 バロックジャパンリミテッドは、2020年2月期~24年2月期の新中期経営計画を発表した。同社は17年3月、「5年後に売上高1000億円」を掲げる中期計画を発表していたが、近年の業績不振と、合弁で中国事業を手掛ける中国のパートナー企業のオーナー変更に伴って、これを撤回・刷新する。19年2月期の売上高は710億円だった(決算期の変更に伴い、18年2月~19年2月までの13カ月決算)。販売力や企画力といった同社の強みにテクノロジーを掛け合わせることで、24年2月期に、「最低でも1000億円の売り上げ」(村井博之社長)を目指す。営業利益は47億円から85億円、純利益は29億円から57億円に伸ばす。「5年後の実現は難しいが、海外売り上げが国内を超えることも視野に入れている」。

 中国事業は、現地法人バロックチャイナの合弁相手であるベル・インターナショナルの筆頭株主が、17年にIT分野に積極投資する投資会社ヒルハウスとなったことにより、方針を転換する。中国国内の店舗数は19年2月期末で249。今後は年間純増20~30を維持しながら、RFID(無線電子タグ)ハンガーや顔認証などニューリテールの仕組みを整えることで既存店の強化に注力する。すでに5店舗で導入しており、これを20年2月期末までに25店舗に拡大する。今後はビッグデータの解析も進める。グローバル展開に対応するため、本社スタッフの外国人率を現状の3~4%から10%程度まで増やす。

 国内では、苦戦する主力のSC向け「アズール バイ マウジー(AZUL BY MOUSSY)」をてこ入れする。「これまでは直営強化に動いた時期もあるが、初心に返る」(村井社長)。20年2月期中に全店舗をRFID対応化し、店舗運営の効率化やMDの最適化につなげることで、FCオーナーとのwin-winの関係の再構築に注力する。大人向けの新ラインや観光客向け雑貨ブランドの導入により、新規顧客開拓も進める。

 「今ある強いブランドを、より骨太にする」(村井社長)ため、主力の「マウジー(MOUSSY)」では商品軸を派生させる。欧米限定で展開しているハイエンドライン“マウジービンテージ”は、売れ筋のデニム以外のアイテムも中国の富裕層向けに展開する。20年秋冬に日本や他のアジア地域に導入するほか、メンズラインもスタートする。

 新規事業創出にも資金を振り向ける。ニューリテールのさらなる推進のため、シェアリングやカスタムオーダーなど、周辺事業への積極的なM&Aや出資も検討する。新規事業のアイデアを社内外から公募するプロジェクト「ネクストイズユー」も開催中で、採用したアイデアには中長期で100億円の投資を行う予定。「アパレル業界では新しい技術やアイデアに先行投資している企業はあまりないが、中長期で本当にいい会社に変わる5年にするため、積極的に取り組んでいく」(村井社長)。