ファッション

NulbarichのフロントマンJQが追想する音楽とファッション そして、未来

 もともとトラックメーカーとして活動していたJQが結成したバンドNulbarich。2016年に結成すると翌年にはジャミロクワイ(Jamiroquai)の日本公演でサポートアクトを務め、18年にはホンダのTVCMに楽曲「NEW ERA」が起用されるなど、実力は多方面から評価されてきた。さらに同年11月にはJQが「夢だった」と話す日本武道館公演も成功させ、先月にはサードアルバム「Blank Envelope」をリリース。これからの活躍にもますます注目のバンドを代表してフロントマンのJQに、アーティストを志したきっかけからバンド結成の経緯、親しい間柄にあるスタイリストの高橋ラムダについてまで話を聞いた。

WWD:まずはアーティストを志した理由から教えてください。

JQ:4歳からピアノを習っていて、小学校では吹奏楽部に入ってパーカッションを担当していたりと、幼い頃からシンプルに演奏する側として音楽とは関わりがあったんです。吹奏楽部もたまたまマーチングの強豪校でレベルが高かったので中学校でも続け、パーカッションつながりでバンドでドラムをやったり、いろいろなものを聴きまくる音楽オタクではなかったんですが、演奏するのが好きだったので趣味程度に続けていました。それからヒップホップ周りのカルチャーを知り、専門学校に入って音楽を掘って掘っての毎日で、次第にトラックメーカーと作曲家を目指すようになった感じです。

WWD:専門学校では何科に?

JQ:別にDJをやりたかったわけでもないのに謎に専門学校のDJ科に入りました(笑)。まぁヒップホップが好きだったし、ラッパーとも出会えたらいいなみたいな。学校ではレコードやヒップホップの歴史といった座学が中心で、トラックメイキングとかは教えてくれなかったんですよ。だから技術的な面はクラブで知り合った先輩のDJに教えてもらったりと、独学なんです。と言っても、トラックを作る上ではサンプリングがメインだったので、技術というよりもどこを使うかを決めるセンスを磨くイメージでした。

WWD:トラックメイキングにおいて影響を受けたアーティストは?

JQ:DJプレミア(DJ Premier)は“神”って呼んでましたね(笑)。あとはカニエ・ウェスト(Kanye West)やファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)、ブラック・アイド・ピーズ(The Black Eyed Peas)のウィル・アイ・アム(will.i.am)、ジャスト・ブレイズ(Just Blaze)、ティンバランド(Timbaland)がわりかし好きです。ファレルは本当に好きで、ザ・ネプチューンズ(The Neptunes)の頃から聴いてました。ジャンルで言えば、90年代ヒップホップや、ジャジーヒップホップ(ジャズとヒップホップの融合ジャンル)が中心です。

WWD:プロデューサーと呼ばれる人たちが好きなんですね。

JQ:サウンド感というか、誰に歌わせてもその人の色が出る感じがすごいクリエイティブだなっていう憧れがあるんでしょうね。もちろんナズ(Nas)とか普通にラッパーも好きですよ。ナズは単純にリリックセンスがいいというか、いわゆるヒップホップっぽくなさすぎなくて。

WWD:話を聞く限りブラックミュージックに大きな影響を受けているようですが、魅力は?

JQ:諸説ありますけどジャズもヒップホップもブラックカルチャーごと背負ってるジャンルで、人種を支えた音楽っていう成り立ちやルーツがある。やっぱり男って、洋服でもデッドストックって聞くと買っちゃうみたいにルーツを探りがちじゃないですか。ヒップホップでいうと、オーバーサイズの洋服を着る理由はお金がなくておやじのパンツをはいていたとか、長く着るために大きいサイズを買っていたとか。それが世界的にかっこいいとされて、1つのカルチャーになっていくみたいな流れが単純に好きなんです。音楽とファッションの関連性をはじめ歴史を知れば知るほど愛が生まれ、興味を持たせてくれたのがブラックミュージックだったんです。

WWD:その中でラッパーやMCを目指そうとは思わなかったんですか?

JQ:ラップは好きですけど僕にとってハードルが高かったし、自分を表現をするにはラップより今のスタイルの方が作品に落とし込みやすいと思ったからですね。

WWD:では最近気になっているアーティストがいたら教えてください。

JQ:最近メンバーに教えてもらったスリーピースバンドのフィーバー333(THE FEVER 333)です。全然ヒップホップじゃないんですけど、久々に別ジャンルのところで超かっこいいと思いました。今の人たちなの?っていうくらいリンキン・パーク(Linkin Park)とレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン(Rage Against the Machine)に影響を受けているようなサウンドで、ジェイ・Z(Jay Z)つながりでリンキンを聴いていたからなんか懐かしく感じるんです。

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