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P&Gの18年通期決算はブランド売却で減益 「SK-II」は引き続き絶好調

 プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE、以下P&G)の2018年6月期決算は、売上高が前期比2.7%増の668億3200万ドル(約7兆4183億円)、営業利益が同1.8%減の137億1100万ドル(約1兆5219億円)、純利益が同36.1%減の98億6100万ドル(約1兆950億円)と増収減益だった。大幅な減益は、16年に41ブランドをコティ(COTY)に売却したことに起因するという。全体の売り上げのうち、ビューティ事業の売上高は同8.5%増の124億600万ドル(約1兆3770億円)、グルーミング事業が同1.4%減の65億5100万ドル(約7271億円)、ベビー・フェミニン・ファミリーケア事業が同1.0%減の180億800万ドル(約2兆円)だった。

 18年4〜6月期はビューティ事業の売上高が前年同期比7.0%増で、スキンケアとパーソナルケアが2ケタ増を記録。製品開発やパッケージの改善を図り、顧客とのコミュニケーション戦略を強化した。その結果、「SK-II」の売上高は同30%以上の伸びを記録した他、ここ数年苦戦していた「オレイ(OLAY)」も復調し、売り上げをけん引した。デビッド・テイラー(David Taylor)会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)は「『オレイ』はパッケージをプレステージブランドを意識したデザインに刷新した他、美容部員の指導やカウンターも改善したことが奏功した。現在、『オレイ』と『SK-II』は異なるターゲット層にうまくアプローチできている」と振り返った。

 ヘアケアも堅調に伸びた一方で、グルーミング事業の売上高は同3.0%減だった。「ダラー シェイブ クラブ(DOLLAR SHAVE CLUB)」「ハリーズ(HARRY'S)」など他社の新ブランドやサービスの勢いに、同社の主軸ブランド「ジレット(GILETTE)」が追いつくことはできなかった。テイラー会長兼社長兼CEOは「『ジレット』は新しいカミソリを2種発売し、エントリープライス製品を投入した。また、オンラインの会員システムも改善し、少しずつ復調している」と手応えを語った。ベビー・フェミニン・ファミリーケア事業は同2%減で、ベビーケアの売り上げは低迷したものの、「オールウェイズ ディスクリート(ALWAYS DISCREET)」などが人気でフェミニンケアは前年を超えた。

 P&Gは最近パーソナルケア&ビューティ事業のブランドポートフォリオを強化すべく、ナチュラルデオドラントブランド「ネイティブ(NATIVE)」、ナチュラルプレステージスキンケアブランド「スノーベリー(SNOWBERRY)」、プレステージスキンケアブランド「ファースト エイド ビューティ(FIRST AID BEAUTY)」などのビューティブランドを買収してきた。テイラー会長兼社長兼CEOは「18年度は大きく進捗した。他社との競争が激しくなる中、経営コストの効率化や顧客ニーズに応えることに全力を注いでいる」と語った。なお、19年の既存事業の売上高は前期比2〜3%増を見込む。北米では「パンパース(PAMPERS)」の値上げを計画しており、すでに「バウンティー(BOUNTY)」「チャーミン(CHARMIN)」「パフス(PUFFS)」の値上げを実行中だ。

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